仮想通貨取引について、全国の国税当局が総出で税務調査を実施したところ、少なくとも50人と30社が総額約100億円分を申告していなかったことが明らかになりました。東京国税局が都内にある複数の仮想通過交換業者から顧客データを取り寄せて分析し、売却益が膨らんでいた個人と法人を抽出しました。このうち70億円以上は、親族や知人の名義による口座で取引したり、取引の記録を残していたにもかかわらず意図的に売却益を少なく見せかけたりしていて、重加算税の対象となる所得隠しに該当すると認定されました。特に高額なケースや悪質な事例は、検察当局に脱税容疑で告発することを検討しているそうです。

 また国税庁は、個人による2018年分の個人の確定申告で、仮想通貨(暗号資産)取引を含む「雑所得」の収入が1億円以上となった「億り人」が前年比で18%減の271人だったと発表しました。相場が下落基調だったことが響いたとみられます。一方、今年3月までの数年間で仮想通貨を巡って計約100億円の申告漏れが発生していたことも判明し、課税逃れが横行している実態が浮き彫りになりました。

 国税庁によると、18年分の所得税の確定申告を提出したのは2222万人で、所得額は計42兆1274億円でした。このうち公的年金以外の雑所得の収入が1億円以上あった465人を確認したところ、271人に仮想通貨取引による収入がありました。ただし仮想通貨の売却などで損益を確定し、確定申告を行った人だけであり、国税庁幹部は「申告していないケースが相当ある」とみています。

<情報提供:エヌピー通信社>