ただ、闇雲に副業を認めていたのでは職場の規律が保てません。企業は副業を認める従業員に対して、自社に求めるものを具体的に明確にしておかなければなりません。たとえば、以下のようなことになるでしょう。
 「あなたにはこの仕事をここまでやってほしい。目標水準に達しさえすれば、あとは自由にしてもらって構わない。あなたのスキルがこの会社以外で求められ、他で働くことでスキルが向上することは会社にもプラスになるのだから、副業を認める。」

 会社に特定のスキルで貢献しようという人には副業解禁はありがたいことです。ただ、すべての従業員が副業をするということにはならないと思います。将来、取締役などになり、会社の方向性を決めるような幹部候補生が副業をするようでは、その会社の将来性は危うくなります。

 これまで日本の会社は、すべての人に同じように出世の門戸が開かれていているから、従業員全員が幹部を目指して、会社に尽くしてほしいというのが建前でした。しかし、副業解禁が一般的になれば、従業員の働き方にも多様性が出てきます。将来会社の幹部になり、会社の中枢で働きたいから、全身全霊を会社に捧げるという人がいてもいいですし、自分のスキルを磨き、そのスキルで業績に貢献し、会社とはドライな関係でいたいという人がいてもいいわけです。

 やや、強引に話をこじつけている感もなくはないのですが、アメリカのメジャーリーグにて、ピッチャーとバッターの両方(俗に言う二刀流)で活躍中のエンゼルス大谷翔平選手を見ていると、皆が同じ方向に向かうのではなく、多様な働き方を認める方が個人だけでなく組織の活性化にも役立つように思います。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)