【時事解説】どこまで進むかブロックチェーン技術の応用 その2

 暗号通貨の中核技術を担うブロックチェーンが近年、様々な分野で応用されるようになりました。ブロックチェーンは台帳のような機能を有しています。しかも、改ざんされにくいのが特徴で、これを利用して物流システムなどに応用されています。

 なぜ、ブロックチェーンは改ざんされにくいのでしょうか。物流システムを例に説明しましょう。ブロックチェーンには情報が詰まったブロックが連なっています。そして、個々のブロックは1つ前のブロックの情報が受け継がれています。中国で生産されたものを日本で生産したことにしようと、ブロックの一部、生産地を書き換えたとしましょう。すると、受け継がれた前のブロックと、書き換えたブロックとの間で、情報の差異が生じるので改ざんが発覚します。

 また、ブロックチェーンのもう一つの特徴は、台帳の管理はマイナーと呼ばれる記帳者らが行っている点にあります。マイナーは世界中、だれでも自由に参加できます。結果、不正を働くには、世界全体、無数に存在するマイナー全員を買収しなければなりません。これでは、不正を働いてもコストが見合わないというわけです。

 ブロックチェーンの台帳の機能を利用して、ある部品メーカーでは、部品の配送や納品状況をリアルタイムで把握するシステムづくりに取り組んでいます。

 アートの世界でも活用が進んでいます。音楽や絵画などの芸術情報に関して、ブロックチェーンを用いて台帳を作成し、オンラインで作品を売買するというものです。新型コロナウイルスの影響で美術館は閉鎖、個展の開催も困難になりました。ブロックチェーン技術の活用は芸術家たちの活動の支えにもなります。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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