【時事解説】中小企業におけるアウトソーシングの活用 その2

では、中小企業において、具体的にどのようなアウトソーシングの取組みがみられるのでしょうか。そこで「中小企業白書2018年版」において、従業員の業務の一部をアウトソーシングすることでコア業務に注力し高付加価値を生み出している事例として紹介された、はな物語(埼玉県杉戸町)の事例についてみていきましょう。

 はな物語(従業員15名、個人事業者)は、プリザーブドフラワーの生産・販売を行うネットショップです。「国家検定一級技能士によるデザイン」など独自サービスの提供を強みとしています。
 以前は各従業員に対し、商品製作、電話対応、顧客管理、事務処理等を幅広く担当させていたことから、最も重要な商品製作に時間が割けない状況に陥っていました。従業員へのヒアリングにより電話対応による受注業務が最も大きな業務負荷となっていることが判明したことから、電話による受注業務を外部のコールセンターにアウトソーシングしました。当初は業務の外部委託に不安を感じたものの、委託業者の電話対応の良さによって顧客満足度が向上しました。また、コールセンターの窓口は電話を受けることが可能な人数が多いため、受注できる数も増え売上の増加につながりました。
 また、ウェブページに記載する商品の撮影や、画像登録といった作業も外部に委託することで、商品製作に注力する時間の捻出に寄与しています。これらの取組みにより、従業員の主要業務が自宅でも対応可能な商品製作に絞られたことで、在宅勤務など多様な働き方の実現にもつながりました。

 このようにアウトソーシングの活用により業務を効率化することができるとともに、自社のコア業務に注力することが可能となるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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