法務省:テロ等準備罪処罰法についてホームページで公表!

すでにテロ等準備罪処罰法が施行されております。
 法務省では、一般の会社が法人税を脱税することを計画し、脱税するための帳簿を作成した場合、その会社が正当な事業を行っている会社ならば、『重大な犯罪等を実行することを目的として集まっていること』との要件を満たさず、テロ等準備罪では処罰されないことを同省ホームページで公表しております。

 テロ等準備罪の処罰の対象となる犯罪行為は277つあり、テロとは関係のなさそうなものも処罰の対象となるといわれております。
 税法関係では、地方税法(軽油等の不正製造、軽油引取税に係る脱税)、所得税法(偽りにより所得税を免れる行為等、所得税の不納付)、法人税法(偽りにより法人税を免れる行為等)、消費税法(偽りにより消費税を免れる行為等)による罪が、法律の別表で規定されております。
 テロ等準備罪が適用される要件は、「組織的な犯罪集団」の関与、重大な犯罪を2人以上で「計画」、計画した犯罪の「実行準備行為」の3つあり、これらの要件の1つでも欠けていれば、テロ等準備罪は成立しないとしております。

「組織的な犯罪集団の関与」では、多数人の継続的な集団、犯罪実行部隊のような組織を有し、重大な犯罪等の実行を目的に集合の全て、「重大な犯罪を2人以上で計画」では、団体の活動として一定の犯罪を実行、具体的かつ現実的合意をすることの全て、また、「計画した犯罪の実行準備行為」では、計画とは別の行為、計画に基づく行為、計画を前進させる行為の全ての要件を満たさなければ、テロ等準備罪の捜査の対象とはならないとしております。

 テロ等準備罪処罰法は、犯罪の主体を組織的犯罪集団に限定することを明文で規定しており、一般の会社や市民団体などの正当な活動を行っている団体は適用対象とはならないとしております。
 また、対象犯罪も限定的に列挙して範囲を明確にしており、上記の所得税法や法人税法、消費税法等における違法行為も、あくまで組織的犯罪集団が関与する犯罪計画や実行準備行為の「資金源」となる場合にのみ処罰対象となるとみられております。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年1月12日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

平成30年3月の税務

3/12
●2月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

3/15
●前年分所得税の確定申告
●所得税確定損失申告書の提出
●前年分所得税の総収入金額報告書の提出
●確定申告税額の延納の届出書の提出
●個人の青色申告の承認申請
●前年分贈与税の申告
●国外財産調書の提出
●個人の道府県民税・市町村民税・事業税(事業所税)の申告

4/2
●個人事業者の前年分の消費税・地方消費税の確定申告
●1月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●1月、4月、7月、10月決算法人及び個人事業者(前年12月分)の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者(前年12月分及び当年1月分)の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●7月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の4月、7月、10月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の12月、1月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告(11月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

財務省:2019年12月に集中電話催告システムを統合へ!

財務省は、財務省行政事業レビュー(公開プロセス)を公表しました。
 行政事業レビューとは、各省庁の事業を各省庁自身が点検するもので、事業の執行状況や資金の流れを統一した様式にして公表する「レビューシート」や、各省庁が実施した事業の自己点検のうち、外部の視点を活用して公開の場で行う「公開プロセス」があります。

 そして、財務省は2019年12月に国税庁の「集中電話催告システム」のシステム統合をすると明らかにしました。
 法人税や消費税など国税の滞納整理の一端を担っているのが、集中電話催告システムを用いての集中電話催告センター室での電話催告です。
 集中電話催告システムとは、徴収システムから各国税局の集中電話催告センター室の集中電話催告システム専用端末に送られてくる滞納者情報をもとに、自動で滞納者に電話をかけて、滞納者が応答した場合には、オペレーターが滞納者情報を見ながら電話催告を行うことができる仕組みです。

少額滞納者を対象に、2002年度に東京と大阪の国税局において初めて導入され、2004年までに残りの10国税局(所)に設置が完了し、稼働させております。
 現状、国税庁事務管理センターの徴収システムと催告システムのサーバ間でデータ連絡をした滞納者情報を、国税庁ネットワークにより集中電話催告センター室のサーバに送信しており、税務署と集中電話催告センター室間ではメールやFAXによって連絡しております。

 しかし、徴収システムと催告システムは別々に構築されており、データ連携にタイムラグがあるため、徴収システムと催告システムを統合します。
 統合によって、事務管理センターのサーバと集中電話催告センター室のサーバ・専用端末が削減され、運用経費(機器の借料など)が年間約3.6億円削減される見込みです。

 さらに、徴収システムと催告システム間の日次処理による夜間データ連絡が廃止され、リアルタイムな情報連携が可能となるため、税務署と集中電話催告センター室間のメールやFAXによる連絡が不要になるなど、事務量が年間約10万時間削減される見込みです。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年12月15日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(後編)ダイレクト納付とは

(前編からのつづき)

 また、すでにダイレクト納付を利用しているケースでは、これまで利用している預貯金口座を継続して利用できますので、新たに利用しようとする預貯金口座を記載したダイレクト納付利用届出書を事前に税務署に提出する必要があります。

 電子納税については、ダイレクト納付のほか、ペイジーに対応した金融機関を利用すれば、インターネットバンキングやモバイルバイキング、またはATMを利用して電子納税ができます。
 こちらもダイレクト納付同様、電子証明書等は不要です。
 インターネットバンキング等による電子納税が利用可能な金融機関については、国税庁HPにてご確認ください。
 なお、電子納税は、国税(内国税)に関する全ての税目を対象としておりますので、中間申告(予定申告)や予定納税についても利用可能です。

 また、本税に加えて、附帯税(加算税、延滞税など)にも電子納税ができますが、特定納税専用手続きを選択した場合は、申告所得税、法人税、地方法人税、消費税及び地方消費税、申告所得税及び復興特別所得税、復興特別法人税のみの電子納税が可能となりますので、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年1月19日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

脱税事件に異例の懲役7年半

輸出免税の還付制度を使って約17億円を脱税したとして、消費税法違反などの罪に問われていた宝飾店販売業を営む被告に、大阪地裁は懲役7年6カ月、罰金6千万円の実刑判決を言い渡しました。脱税だけで執行猶予なしの実刑判決が下されること自体がまれで、過去にない長期間の懲役刑を科された理由には、計画的かつ常習的とみなされた脱税の悪質性があるようです。

 起訴状などによると、被告は2010年~16年にわたって香港からの高級腕時計の架空仕入れを計上する手口で、不正に消費税11億円の支払いを免れたほか、輸出免税制度を利用して4社合わせて約6億8千万円の不正還付を受けたそうです。

 消費税は、「国内で消費される財貨やサービスに対して課せられる税」で、国外との取引には原則的に課税されません。しかし国内の事業者から商品を仕入れる際には消費税分が上乗せされているので、国外取引を行う事業者は、仕入れにかかった消費税額を申告することで、その分の還付を受けることができます。この制度を悪用し、架空の海外取引を計上して消費税の還付を受ける手口は横行しています。
<情報提供:エヌピー通信社>

国税庁:2016年度の租税滞納状況を公表!

国税庁は、2016年度の租税滞納状況を公表しました。
 それによりますと、新規発生滞納額は、前年度に比べ9.5%減の6,221億円と3年ぶりに減少し、整理済額が7,024億円(前年度比9.3%減)と新規発生滞納額を上回ったため、2017年3月末時点での法人税や消費税など国税の滞納残高も8.2%減の8,971億円となり、1999年度以降、18年連続で減少しました。

 国税庁では、新規滞納に関しては、全国の国税局(所)に設置している「集中電話催告センター室」で整理すること、処理の進展が図られない滞納案件については、差押債権取立訴訟や詐害行為取消訴訟といった国が原告となって訴訟を提起して整理すること、財産を隠ぺいして滞納処分を免れる案件については、国税徴収法の「滞納処分免脱罪」による告発で整理することで、効果的・効率的に処理しております。
 近年、景気回復により税収は増えているものの、こうした新規滞納の未然防止、大口・悪質事案や処理困難事案を中心に厳正・的確な滞納整理を実施しております。

滞納残高は、前年度の2015年度に1986年度(8,778億円)以来29年ぶりに1兆円を下回り、2016年度も滞納残高を減らしております。
 2016年度に発生した新規滞納額は、最も新規滞納発生額の多い1992年度(1兆8,903億円)の約33%まで減少しました。

 また、2016年度の滞納発生割合(新規発生滞納額/徴収決定済額(57兆6,516億円))は1.1%となり、2004年度以降、13年連続で2%を下回り、国税庁発足以来、最も低い割合となって、滞納残高はピークの1998年度(2兆8,149億円)の約32%まで減少しました。
 税目別にみてみますと、消費税は、新規発生滞納額が前年度比14.5%減の3,758億円と3年ぶりに減少しましたが、税目別で12年連続最多、全体の約60%を占めております。

 一方で、整理済額が3,997億円と上回ったため、滞納残高は7.2%減の3,100億円となり、7年連続で減少しました。
 法人税は、新規発生滞納額が同3.7%減の611億円と3年連続で減少し、整理済額が698億円と上回ったため、滞納残高も8.2%減の981億円と9年連続で減少しました。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年1月12日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

平成30年2月の税務

2/13
●1月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

2/28
●前年12月決算法人及び決算期の定めのない人格なき社団等の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●6月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、6月、9月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の11月、12月決算法人を除く法人の1月ごとの中間申告(10月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○前年分所得税の確定申告(2月16日から3月15日まで)
○前年分贈与税の申告(2月1日から3月15日まで)
○固定資産税(都市計画税)の第4期分の納付

平成30年度税制改正 消費課税・納税環境整備編

 消費税と納税環境整備に関する主な改正項目を概観してみます。

●消費税について
 消費税に関しては、個別企業の課税実務に大きな影響を及ぼす改正はありませんでした。改正は補完的なものです。
①消費税における長期割賦販売等に該当する資産の譲渡等について延払基準により資産の譲渡等の対価の額を計算する選択制度は廃止されます。但し、経過措置が講じられています。
②簡易課税制度について、軽減税率が適用される食用の農林水産物を生産する事業者を第2種事業とし、そのみなし仕入率を80%(現行:70%)とする。
 適用は、平成31年10月1日を含む課税期間からです。
③輸入に係る消費税の脱税犯に係る罰金刑の上限について、脱税額の10倍が1,000万円を超える場合には、脱税額の10倍(現行:脱税額)に引き上げる。
適用は、法律の公布日から起算して10日を経過した日以後の違反行為からです。
④外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充です。具体的には、「一般物品」と「消耗品」の合計で下限額の要件(5,000円以上)等を満たす場合には、外国人旅行者向けの消費税の免税販売を認める。
 適用は、平成30年7月1日以後に行われる課税資産の譲渡等からです。

●納税環境整備について
 改正の中心は、申告手続の電子化促進のための環境整備です。
 大法人の法人税、地方法人税、消費税、法人住民税及び法人事業税の電子申告の義務化です。申告書は、確定申告書、中間申告書、修正申告書が対象で、消費税においては還付申告書も含みます。
 上記の大法人とは内国法人のうち事業年度開始日の時において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人並びに相互会社、投資法人及び特定目的会社をいいます。
 なお、消費税については、国及び地方公共団体も含みます。
 適用は、平成32年4月1日以後に開始する事業年度からで、消費税に関しては、同日以後に開始する課税期間からです。
 なお、上記申告手続の電子化に伴って、法人税等の申告書における代表者及び経理責任者等の自署押印制度を廃止するなど幾つかの環境整備がなされています。

国税庁:e-Taxの利用に関するアンケート調査結果を公表

 国税庁は、2017年2月〜5月にかけて国税電子申告・納税システム(e-Tax)ホームページ及び確定申告書等作成コーナーにおいて実施した「e-Taxの利用に関するアンケート調査」結果(有効回答数4万3,674人)を公表しました。

 それによりますと、利用した手続き(複数回答)は、確定申告時の調査からも「所得税申告」が97.1%と最多、次いで「申請・届出手続き」が7.2%、「納税手続き」が4.8%と続きました。
 e-Taxや確定申告書等作成コーナーを利用するきっかけでは、「国税庁のホームページ」が54.1%と最多、次いで「税務署からの案内文等」が15.6%と続きました。

 また、e-Taxを利用しようと思った理由(複数回答)では、「税務署に行く必要がないから」が85.6%と最多、次いで「税務署の閉庁時間でも申告書等の提出(送信)ができるから」が70.4%、「申告書の作成・送信が容易だから」が61.1%と続きました。

 事前手続きについて「スムーズにできた」との回答割合は、「開始届出書の送信(利用者識別番号の取得)」が69.8%、「事前準備(ルート証明書のインストール、信頼済みサイトの登録)」が68.1%、「電子証明書やICカードリーダライタの取得・設定」が64.5%、「電子証明書の初期登録」が63.2%となりました。

 また、2017年1月から、マイナンバーカードでマイナポータルにログインしますと、e-Taxの利用者識別番号や暗証番号を入力せずに、メッセージボックスの情報確認や、納税証明書、源泉所得税、法定調書などに関する手続きが利用できる「マイナポータルのアカウントによるe-Taxへの認証連携」が始まりましたが、その認知度は15.7%となりました。

 さらに、地方税ポータルシステム(eLTAX)を利用しますと、給与・公的年金等の支払をする事業者が別々に提出する必要があった支払報告書と源泉徴収票を一括作成し、必要な提出先にそれぞれ提出できることの認知度は17.1%となりました。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成29年12月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

日露戦争時の織物消費税とは

 日露戦争開始時から第二次世界大戦直後まで課税されていた「織物消費税」について、税務大学校がホームページ上のコンテンツ「税の歴史クイズ」で紹介しています。

 織物消費税は、法定製造場で製造者から織物を受け取る際に、税務署員が標準価格を決定し、受取人がその価格の1割(明治43年時点)を税金として納めるもの。日露戦争の戦費調達のための財源として明治37年3月に非常特別税として誕生しています。

 その後も永久税として残り、シャウプ勧告を受けた税制改正で昭和25年1月に廃止となりました。

 課税対象である「織物」の定義は「糸を縦横に交差して織り合わせたもの」。税務大学校が「課税された織物はどれか」とするクイズの選択肢に入れた「レースのハンカチ」は、糸と糸を編み合わせたもの、もしくはより合わせたものということで、課税されなかったそうです。また、「綿織物」は当初は課税対象でしたが、生活必需品の負担軽減という社会政策から大正15年に非課税になりました。
<情報提供:エヌピー通信社>