全国の会社が支出した交際費の総額が平成24年度から5年連続で増加していることが、国税庁の会社標本調査で明らかになりました。交際費は税務調査で必ずと言っていいほど支出の実態について調べられる項目であり、支出額が年々増えるなかで税務署はより一層厳しい目で見るようになっています。
国税庁が3月30日に公表した「会社標本調査」によると、平成28年度に全国の法人267万2033社が支出した交際費の総額は3兆6270億円で、前年度の3兆4838億円から4.1%の増加となりました。伸び率は26年度の5.4%、27年度の7.2%と比べると鈍化していますが、平成19年度から23年度まで5年連続で前年度比マイナスだった分を、24年度からの5年で穴埋めし、28年度に10年前(3兆6816億円)とほぼ同額に戻したことになります。
会社が交際費の税務でまず押さえておかなければならないのは、交際費の損金算入額には制限が設けられている点です。損金にできる交際費の額は、①交際費のうち800万円以内の額、②交際費のうち「接待飲食費」の半額――のうちの高い金額となっています。どちらを選択すべきかは、接待飲食費だけで1600万円を超えるか否かで判断します。超えているならその半額の800万円以上を損金にできるので②が有利となります。なお、資本金1億円超の大企業は①は適用できないので、交際費の支出内容にかかわらず接待飲食費の半額を損金にすることになります。
<情報提供:エヌピー通信社>
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