仮想通貨に関する税務上の取扱い

はじめに
 近年、ビッグデータ、ソーシャルメディアなどのICTのサービス及びビジネスの進展等を背景にインターネットを通じて電子的に取引される仮想通貨(例:ビットコイン、イーサリアム等)の取引が急増しているようです。
 こうした中、平成30年11月21日に「仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(FAQ)、以下単に「FAQ」といいます。」が国税庁から公表されました。
 そこで本稿では、公表されたFAQの概要と実務上の留意点について解説します。

Ⅰ 所得税・法人税共通関係
1.仮想通貨を売却した場合
 保有する仮想通貨を売却(日本円に換金)した場合の所得金額は、その仮想通貨の売却価額から売却した仮想通貨の取得価額及び売買手数料等の経費の額の合計額を控除した金額とされます(問1)。
 なお、購入した仮想通貨の取得価額は、その支払対価に購入手数料等の付随費用を加算した金額とされます(問4)。
2.仮想通貨で商品を購入した場合
 保有する仮想通貨で商品を購入した場合には、保有する仮想通貨を譲渡したこととされ、その所得金額の計算は、前述した1と同様とされます(問2)。

Ⅱ 所得税関係
1.仮想通貨の所得区分
 仮想通貨取引により生じた損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得又は雑所得に区分されます(問7)。
2.仮想通貨の取得価額の計算方法
 仮想通貨の取得価額は、原則として「移動平均法」で計算することとされます。しかし、継続適用を要件に「総平均法」で計算することもできます(問11)。
3.仮想通貨の必要経費
 仮想通貨の経費の額は、その取引の記録に基づいて業務の遂行上直接必要であることが明らかに区分できるものとされます。例えば、インターネット及びスマートフォン等の回線利用料、パソコン等の減価償却費が想定されます(問8)。
4.年間取引報告書の送付
 平成31年1月末までに国内の仮想通貨交換業者を通じた仮想通貨取引について、①年始数量、②年中購入数量及び金額、③年中売却数量及び金額、④移入数量、⑤移出数量、⑥年末数量、⑦損益合計、⑧支払手数料が記載された「年間取引報告書」が納税者(顧客)に対して送付予定とされています。
 なお、仮想通貨の売却・購入が外貨で行われていた場合の年間取引報告書の各項目の記載は、取引時の電信売買相場の仲値(TTM)で円に換算した金額とされます(問10)。

(今月の税務トピックス②につづく)