《コラム》コロナとICTが特徴?令和元年分確定申告状況

◆例年の申告状況まとめだが
 国税庁は毎年、所得税等・消費税・贈与税の確定申告状況を報道発表しています。いつもなら3月末の時点でカウントしていましたが、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告期限を令和2年4月16日まで延長したことにより、集計についても4月末までが対象期間となっています。
 また、「新型コロナウイルス関連で、期限内に申告することが困難な場合は、柔軟に確定申告書を受け付ける」といった対応を取っており、「納付期限は提出日」「申告書に新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請と書けばOK」となっています。その影響か、近年横ばいで少しずつ増えていた所得税及び復興特別所得税の申告人員は2,204万人(前年比▲0.8%)、所得金額は41兆6,140億円(同▲1.2%)、申告納税額は3兆2,176億円(同▲2.0%)と、いずれも前年を下回る結果となりました。

◆自宅で申告がさらに増
 国税庁HPの確定申告書等作成コーナーを利用して、e-Taxで所得税等の申告書を提出した人は195万人となり、平成30年分より約1.5倍に増加しました。
 機能を強化したスマホ専用画面での確定申告書作成・申告機能で申告した人は47万人と、平成30年分より約4倍に増加しました。新型コロナウイルス感染症の影響もあってか、平成30年分に確定申告会場でスマホ申告した方のうち、2人に1人が令和元年分の申告を自宅等からe-Taxで提出しているというデータもあり、確定申告についてはICTの普及がさらに進んでいます。

◆マイナンバーカード普及には至らず?
 e-Taxの送信方式を見てみると、マイナンバーカード方式が59.7万人に対して、税務署で発行できる後発のID・パスワード方式が148.8万人と、2.5倍近くの開きがあります。確定申告会場でマイナンバーカード申請コーナーを設置したりもしていますが、イマイチ普及には寄与できていない結果となっています。
 2020年9月からのキャッシュレス決済チャージで付与されるマイナポイントにも、マイナンバーカードが必須となりますが、はたしてマイナンバーカードはどこまで普及するのでしょうか。

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