では、働き方改革への対応に向けて中小企業では具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。そこで『中小企業白書2020年版』において、働き方改革の取組事例として紹介されたライオンパワー株式会社(本社:石川県小松市)の事例についてみていきましょう。
 ライオンパワー株式会社は、各種FA・LAロボットシステムなどの開発、製造を行う企業です。

 かつて同社では月ごとの残業時間や年間累計残業時間、有給休暇取得日数が確認しづらく、従業員自身も管理できていない状況でした。こうした状況を受け、働き方改革関連法の残業時間の上限規制や年次有給取得の義務化にも対応すべく、早めの準備に着手することとしました。
 具体的には残業時間が少ない人に高いポイントを付与する形で残業時間をポイント化し、トータルポイント数を賞与に反映させる評価制度を導入しました。一方で、業務量の多い従業員等が不利にならないよう、賞与の評価においては業務難易度や業務量などを社長と部門長で確認し調整しています。
 また、日々の残業時間と月ごとの累計残業時間をネットワークで従業員自身が確認できるようにするとともに、年間3日間を計画有給取得日と定め(残り2日は個別に取得)、有給休暇消化日数も確認できるようにしました。

 これらの取組みを通して残業時間が大幅に減少しました。また、会社全体の計画有給取得日を決めることで、管理部門の管理コスト軽減を図ることができました。さらに残業時間のポイント制導入により、残業が減る一方で賞与が増額となり、従業員の働き方への意識を高めることにつながりました。
 このように働き方改革への対応を契機としてさまざまな効果がみられるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)