近年わが国では大地震、集中豪雨など従来の予想を超える規模の自然災害が多発しており、リスク管理の重要性が増しています。

 こうした中、中小企業において、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)の策定が求められています。BCPとは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃等の緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、緊急時における事業継続のための方法、手段等を取り決めておく計画のことです。BCPを策定し運用することにより、危機対応能力の向上に加え、取引先との関係強化や、自社の経営実態の把握や経営管理の再確認によって企業価値の向上につながるというメリットがあります。

 しかしながら、「中小企業白書(2016年版)」によると、BCP策定を「策定済み」と回答した企業の割合は中小企業全体で15.5%である一方で、64.4%が「策定していない」と回答しており、中小企業においてはBCPの策定状況が低いのが実態です。また、従業員規模が小さな企業ほど「策定済み」と回答した企業の割合が低くなっています。BCPを策定していない企業にその理由を確認すると、「スキル・ノウハウ不足」、「自社では特に重要ではない」、「人手不足」が高い割合となっています。

 このように、経営資源に乏しい中小企業のBCP策定を促進するには、BCPを策定することのメリットや重要性を中小企業が認識するとともに、スキル・ノウハウや人材の不足を補うことができるような支援体制を強化することが求められるのです。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)