リコースローンとノンリコースローンの違いは突き詰めると、融資対象である住宅の値下がりや毀損リスクを誰が負うのかということに帰着します。リコースローンは住宅がどんなに値下がりしても、あるいは無くなってしまっても、(資金を)融資した側は借入者に返済を請求できるのですから、物件の値下がりリスクは借入人が負うことになります。一方、ノンリコースローンは物件の値下がり、毀損リスクは(資金を)融資した金融機関が負うことになります。

 日本では住宅ローンと言えば、リコースローンだと思われていますが、ノンリコースローンによる住宅ローンの商品設計も可能なはずです。貸出側が物件の毀損リスクを負うのですから、金融機関が保険を掛けることになるでしょう。その分ローン金利は旧来のリコースローンの場合に比べて高くなると考えられます。ただ、地震保険を個人で掛けるのに比べれば、金融機関側でまとめて掛けた方が、安くなるというメリットは生じるかもしれません。

 金利が高くても物件の毀損リスクを負わないノンリコースローンにするか、金利は低いが毀損リスクを引き受けるリコースローンにするかを借入人が選択できれば、借入人の満足度は向上するはずです。災害多発国である日本ではノンリコースの住宅ローンには相応のニーズがあると思いますから、少なくとも商品メニューはあっても不思議ではありません。

 金融機関は今、マイナス金利による利ザヤの縮小に加え、貸し出し需要の減少に苦しんでいます。しかし、自らの環境を巡る不平を言う前に、顧客のニーズを本当に捉えられているか自省してみるべきではないでしょうか。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)