今、世界全体で注目を集めている技術の一つが、人工肉などの食料に関するものです。なぜ、人工肉が期待されるのでしょうか。それは、次に掲げる3つの課題を解決する要素となるからです。

 具体的に説明しましょう。
(1)食料不足、食糧難:世界全体で、人口は増え続けており、2050年には現在の3割増の98億人に達するとみられています。結果、途上国を中心に、食料(たんぱく質)が不足する可能性があります。人工肉を生産する技術があれば、たんぱく質の不足分を補うことができます。
(2)環境問題:実は、食用肉生産には大量の水を必要とします。また、家畜の飼育は温暖化ガスを排出する原因にもなっています。人工肉へシフトすることで環境負荷の低減が図れると考えられています。
(3)健康維持:従来の食用肉よりも植物を原材料とした人工肉のほうが健康的と考えられています。

 これらの理由から、人工肉への関心が高まっています。ただ、量産化にはいくつかの壁があります。最も大きな障壁は「コスト」です。2013年、試食会で披露されたハンバーガーは1個3,500万円(開発費込み)という高額なものでした。もっともコストがかかるのが、細胞を増やすための培養液で、200グラムの肉を作るのに数百万円もかかるといいます。

 日本のベンチャーは人工肉の技術開発で後れを取っていますが、実は、日本の中にも、人工肉を低コストで量産する技術に取り組んでいる会社はあります。将来は、スーパーなどで売られる肉と同等の価格で提供したいと開発を進め、現在は少量ですが、フォアグラの試作に成功しています。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)