技術の進歩は家電製品、自動車、通信機器など、数多くの分野で新商品を生み出し、莫大な利益をもたらしました。今、次の時代に大きな技術革新が起こるであろうと期待されているものの一つが「食」です。なかでも、人工肉は今後、大きなビジネスに発展するのではないかと注目されています。

 通常、私たちが食する肉は畜産農場で育てられたものですが、人工肉は文字通り、テクノロジーを駆使して人の手により生み出された肉です。牛の筋肉から採取した細胞を人工培養するものや、大豆から抽出したたんぱく質に遺伝子操作を加え生成するもの、さらには3Dプリンターを用いて形成するものなど、すでに何種類かの製造法が開発されています。

 ただ、歴史は浅く、世界で初めて人口培養肉がお目見えしたのが2013年、ロンドンでハンバーガーの試食会が催されました。その後、17年に、米国のマクドナルドがスウェーデンとフィンランドの2国で植物由来のたんぱく質で作られたハンバーガーを発売。現在は、米国内のいくつかのレストランで人工肉のハンバーガーがメニューに加えられるようになりました。いずれも本物そっくり、説明されなければ従来の肉と区別がつかない、と評判になっています。

 日本人は遺伝子操作に対して違和感を覚える人が多く、人工肉への関心は高くありません。が、人工肉の技術開発を行う食料ベンチャーへは、マイクロソフト創業者、ビル・ゲイツ氏をはじめ、シリコンバレーの成功者が投資をはじめています。かつて、ガレージで産声を上げたグーグルやアップルが大企業へと成長したように、次は食料ベンチャーが大きく羽ばたくのではないかといった声もあります。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)