色々な見方はあるかもしれませんが、GDP(国内総生産)は伸び悩み、2%のインフレ目標の達成は先送りされるなど、アベノミクスも一種の曲がり角を迎えているように思われます。本来、民間企業が独自に決めるべき賃上げについて、政府が企業に要請するという官民対話に政府の焦りが感じられます。

 というのは、こうした要請は市場と政府のどちらが賢いかという、古くからある既に決着済みの問題を蒸し返しているに過ぎないからです。どんなに優秀な政治家や官僚でも、市場で行われる資源配分以上に賢い選択はできないというのが資本主義社会での結論です。政府が直接に介入し、市場とは異なる資源配分をしても、良い結果はえられないだろうというのがコンセンサスだったはずです。そんなことは、関係者は百も承知でしょう。それでも、民間企業にこうした要請をせざるを得ないところに、行き詰まり感が表現されているように思います。

 「デフレを止めるために金融緩和を行い、さらなる財政支出を行うべきなのか、あるいは今でも膨大な財政赤字を抱えているのだから将来のインフレを予防するために国債残高の圧縮に努めるべきなのか。」こうした問題についても、経済学は有効な処方箋を示すことができていません。
 そうした中で、企業経営はどうあるべきなのか、考えてみましょう。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)