では、後継者人材バンクでは具体的にどのような取組みが行われているのでしょうか。
そこで長野県事業引継ぎ支援センターで運営されている「長野県後継者バンク」を活用した事業承継の事例として、長野県中小企業振興センター「中小企業経営支援事例集」でも紹介されているペンションオードヴィー(所在地:長野県山ノ内町、従業員数2名)の事例をみていきましょう。

 長野県後継者バンクでは、譲渡希望者の事業としてペンション等の宿泊事業者が多いこと、これらの事業の譲受希望者の中には都市部から脱サラしてくる人が多いことを受けて、長野県中小企業振興センター内に設置される創業サポートオフィスや商工会議所・商工会以外に、東京・大阪・名古屋に設置されている移住交流センターにも相談窓口を設けています。

 ペンションオードヴィーは、奥志賀高原において1998年に開業して以降、安定した経営を続けてきました。しかし、後継者がいないこともあって代表者が気力・体力の衰えを感じるようになる中、引き継いでくれる人を探すために同バンクに譲渡希望者として登録するに至りました。

 その後、ペンション経営を若い頃からの夢とし準備を進めてきた横浜市在住の会社員が長野県後継者バンクに譲受希望者として登録したのを契機に、事前調査を経て両者の引き合わせが行われました。譲渡希望者の経営方針・姿勢が譲受希望者と合致したことから、口頭による基本合意を経て、その後無事に事業の引継ぎに至りました。

 このように後継者人材バンクによる事業承継にあたっては、譲渡・譲受希望者の双方の間で経営理念や想いが共有されることが重要となるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)