東京証券取引所は4つに分かれている株式市場を3つに再編しようと検討しています。そもそも、いま、なぜ再編が必要なのでしょうか。実は、個人投資家の間には、一部上場の問題点を端的に表す言葉として、「上場ゴール」というものがあります。これは、企業が「東証1部上場」をゴール(最終目的)にしている旨を指します。近年、上場というゴールを決めたあと、業績や株価が下がる企業が目に付くようになりました。

 また、東証1部は大企業中心の市場であるはずなのに、時価総額の小さな(小ぶりの)企業も上場している点も指摘されるようになりました。
 問題の背景には、東証1部の上場基準が緩いことがあります。とくに、マザーズ(新興市場)から1部に上がる基準が緩く、通常、時価総額は250億円ほど必要ですが、マザーズからの上場ならば最低40億円でよいと優遇されています。
 世界の中で、日本の株式市場の信頼感をしっかりとしたものにしなければ、投資家は離れてしまうことも考えられます。そこで、東証1部に上場する企業の質を高める必要性が浮上しました。質を高めるための施策の一つとして、上場基準の厳格化が必要になったわけです。

 ただ、再編に関し、もう一つの懸念は日経平均株価への影響です。再編後、日経平均採用銘柄を入れ替える必要性が生じます。2000年、日経平均株価の暴落がありましたが、暴落した要因の一つに、大幅な日経平均採用銘柄の入れ替えがありました。今回も、銘柄が大きく入れ替わるとなると、株価の暴落につながりかねません。基準の変化や銘柄の入れ替えがどの程度の規模になるか、決定の内容から目が離せません。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)