【時事解説】通信5Gサービス開始と規格競争の行方 その1

 2020年春から、次世代通信規格「5G」のサービスが開始されます。すでに米国や韓国では始まっており、ようやく日本でも開始されます。通信規格は1980年前後に始まり、1Gから2G、3G…と進化を続けました。規格がグレードアップすることで、よりよい通信インフラが整備され、同時に自動車電話や携帯電話、そして着メロやiモードといった、便利で生活を豊かにするものが誕生しました。

 次世代の5Gはあらゆるものを一変させるといわれています。特徴は、「超高速・大容量」、「超低遅延」、「多数同時接続」といったことが挙げられます。多数同時接続とは、同時に多数の端末を使えるようになることを指します。結果、あらゆるモノがインターネットにつながる社会が実現します。これまで、インターネットには、PCやスマホ、テレビなどがつながっていましたが、今後は、洗濯機、冷蔵庫などの家電や自動車、さらには時計や洋服、テニスラケットといった身の回りのものまでが繋がるようになります。自動車がインターネットにつながると、一台ごとの位置情報が正確にわかるようになります。すると、渋滞をしている地域が明らかになり、ドライバーは比較的空いている道を選んで走行できるようになります。

 「超高速・大容量」「超低遅延」の特徴を活かしたものには、映像やゲームがあります。近年、YouTubeによるゲーム実況が人気を博していますが、将来は、視聴者はYouTubeで他者のプレーを観るだけでなく、リアルタイムで自由にゲームへ参加できるようになります。

 また、これまでの仮想現実(VR)は乗り物酔いに近い症状(VR酔い)が生じてしまい、今ひとつ普及しませんでした。が、5Gの超低遅延の技術により、VR酔いが解消され急速に広まる可能性も出てきました。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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