成人年齢を20歳から18歳に引き下げることを柱とする民法改正案が閣議決定されました。2018年度の与党税制改正大綱の「検討事項」には税制についても「民法に合わせて要件を18歳に引き下げることを基本」とすると記載されており、20歳を境界線にしている税制が見直される可能性は高いとみられます。
20歳を境界線にしている税制には相続税の「未成年者の税額控除」があります。財産の取得時に20歳未満の人は相続税額から一定額を控除できるというもので、控除額は満20歳になるまでの年数1年につき10万円。17歳5カ月の人なら20歳になるまでの期間を「3年」(1年未満の期間は切り上げ)で計算し、控除額は30万円となります。仮に民法改正に合わせて税制が「満18歳になるまでの年数1年につき10万円」と変更されたとすると、控除額は10万円にまで下がることになります。
ただし、未成年者控除制度を「20歳未満の者の税額控除」などと変更し、控除額をこれまでと同様とする可能性もあります。実際、例えば飲酒年齢を規定する「未成年者飲酒禁止法」は、法律名を「ニ十歳未満の者の飲酒禁止に関する法律」に改め、民法改正後も20歳未満の飲酒を禁止とする予定とのことです。
贈与時の税負担を減らす「相続時精算課税制度」も見直しの対象です。親や祖父母から贈与を受けても2500万円まで贈与税は無税となる同税制は、現行では20歳以上の子どもが利用できるものですが、今後は2年早く利用することが可能となるかもしれません。
証券投資にかかる税金を非課税にする「NISA」にも影響が出ます。これまでは20歳以上の人が利用できるのはNISA、20歳未満はジュニアNISAとされてきましたが、今後は18歳が境界線になると見られています。
なお、成人年齢の引き下げを盛り込んだ改正民法は2022年4月1日に施行されます。
<情報提供:エヌピー通信社>
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