最近、世界の企業が開発に力を注いでいるものの一つに「量子コンピューター」があります。これは、物理の量子力学を応用して計算するコンピューターです。従来、計算速度では、スーパーコンピューターがもっとも優れているとされていましたが、量子コンピューターはより高速で答えをはじき出すのが特徴です。今後、実用化が進めば、高速計算が必要な分野は量子コンピューターが取って代わるといわれています。
様々な計算の中でも、量子コンピューターが得意とするのは、膨大な選択肢から最適な答えを導き出すことです。一例を挙げると、製品の運送ルートの選定があります。工場から製品を複数の納品先に配送する場合、いくつものルートが考えられます。納品先が多数になるほど組み合わせも多くなる上、渋滞や天候、事故、工事など、交通の妨げとなる事象により、最短、最速で回るルートは変わります。中でも、渋滞の状況は刻々と変化するため、計算が極めて複雑です。従来のコンピューターでは、最適なルートを導き出すには時間がかかりすぎて、答えが出るころには状況も変わってしまうこともありました。ところが量子コンピューターならば、即時に答えが出せるので、従来よりも目的地に、短い時間と距離で到着できる可能性が高まります。結果、運送コストの削減、さらには効率よく配送できるので、人手不足の解消といった社会が抱える課題の解決にも貢献します。
応用分野は、物流のほかにも営業の巡回ルート、さらには複雑な計算が必要な新薬の開発など、多くの分野で期待されています。(つづく)
(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)
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