脱税事件に異例の懲役7年半

輸出免税の還付制度を使って約17億円を脱税したとして、消費税法違反などの罪に問われていた宝飾店販売業を営む被告に、大阪地裁は懲役7年6カ月、罰金6千万円の実刑判決を言い渡しました。脱税だけで執行猶予なしの実刑判決が下されること自体がまれで、過去にない長期間の懲役刑を科された理由には、計画的かつ常習的とみなされた脱税の悪質性があるようです。

 起訴状などによると、被告は2010年~16年にわたって香港からの高級腕時計の架空仕入れを計上する手口で、不正に消費税11億円の支払いを免れたほか、輸出免税制度を利用して4社合わせて約6億8千万円の不正還付を受けたそうです。

 消費税は、「国内で消費される財貨やサービスに対して課せられる税」で、国外との取引には原則的に課税されません。しかし国内の事業者から商品を仕入れる際には消費税分が上乗せされているので、国外取引を行う事業者は、仕入れにかかった消費税額を申告することで、その分の還付を受けることができます。この制度を悪用し、架空の海外取引を計上して消費税の還付を受ける手口は横行しています。
<情報提供:エヌピー通信社>

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