金密輸、過去最悪に次ぐ1千件

消費税の税率引き上げを前に、消費税を利用した闇ビジネスが横行しています。そのスキームは、金を海外からこっそりと持ち込み、関税で支払うべき消費税を逃れたうえで売却し、税額分の利ザヤを得るというものです。

 全国の税関が2018年に摘発した金地金の密輸入は前年比2割減の1088件だったことが、財務省が2月下旬に公表した報告書で明らかになりました。前年から66%増となった17年との比較では大幅減ではあるものの、過去2番目に多い記録です。

 外国では消費税がかからず金を購入できるため、1億円の金地金は諸経費を除けば1億円で買えます。それを日本で売ると、消費税分の800万円が利ザヤとして儲けになります。そのため海外から金を持ち込む際には税関であらかじめ消費税分8%を納めることを義務付けていますが、入国時に申告せずに税関をすり抜け、日本国内の買い取り業者に持ち込んで儲けを得る犯罪が横行しています。

 消費税率が上がるほど利ザヤが大きくなることから、金の密輸事件は消費税率の8%への引き上げを境に急増。12件だった13年から、増税後の14年には119件、15年には465件と増えました。18年の1088件は前年に次いで2番目に多い数字で、押収量2119キログラムは3番目の量でした。

 消費税率が高いほどこのスキームが成功した際の儲けが多くなることから、今年10月の消費増税を境に密輸が急増することが危惧されています。そのため政府は、19年度税制改正に密輸対策を盛り込みました。その内容は買い取り業者の税額控除を制限するもので、今年4月以降は、密輸品と知りながら行った仕入れは仕入税額控除制度の適用を認めません。また10月以降は、金や白金の売り主の本人確認書類の写しの保存を仕入れ税額控除の要件に加えます。すなわち買い取り業者は、身分が分からない者から購入した場合、代わりに消費税を納税しなければならなくなります。

<情報提供:エヌピー通信社>

(後編)自動車税の留意点!

(前編からのつづき)

 自動車検査証の住所変更登録は、住所変更の届出など住民票の手続きと連動しませんのでご注意ください。
 自動車税の住所変更登録を忘れますと、納税通知書が届かないこととなる一方、自動車税の納付期限の5月末日までなら利用できたコンビニ等での自動車税の納付ができなくなります。

 また、納期限までに納めなかったことで、納付期限の翌日から1ヵ月を経過するまでは特例基準割合に1%を加算した割合(例:1.7%+1%=2.7%)、その後は特例基準割合に7.3%を加算した割合(例:1.7%+7.3%=9%)の延滞税が課されます。
 未納の状態を放置しますと、車検も受けることができません。

 自動車納税通知書の一部は自動車税の納税証明書となっており、自動車税を納めたときに、収受印を押印の上、半券として返される書類が自動車税納税証明書です。
 通常、車検を受ける場合には、これまでの車検証、自動車損害賠償責任保険証明書、自動車税納税証明書の3点が必要です。
 車検が受けられない事態にならないよう、自動車税の住所変更登録を忘れずに行ってください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成31年3月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

(前編)自動車税の留意点!

自動車税は、自動車の所有者に対して課税される財産税の一種であり、毎年4月1日現在に三輪以上の小型自動車、普通自動車(特殊自動車を除く)の所有者として自動車検査証(車検証)に記載されている人が納税義務者となります。

 5月ごろに都道府県から送られてくる納税通知書にしたがって、5月末日まで(青森県と秋田県は条例により6月中)に納める税務手続きとなります。
 年度の途中で新規登録(新車・中古車は問わない)があった場合は、登録の月の翌月から年度末までの月割課税、廃車の場合は、4月から消滅(登録抹消)の月までの月割課税となります。

 所有者変更の場合、4月1日現在の所有者に全額課税されます(月割課税されない)ので、友人・知人間などの売買の場合には、売買時点で自動車税の負担額についてきちんと取決めするなどして、後日トラブルにならないようご注意ください。
 また、引越しをした場合は通常、引越し前の市区町村に転出届を引越し後の市区町村に転入届を提出しますが、自動車税も同様に、自動車の所有者にきちんと納税通知書が届くようにするために、住民票の手続きとは別に、自動車検査証の住所変更登録が必要となります。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成31年3月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

《コラム》ついに法規制 2019年のふるさと納税改正

◆税制改正で過剰競争を抑制できるか
 ふるさと納税は通常の寄附金控除とは異なり、住民税を大きく引いてくれる特別な控除があるため、個人の所得や控除によって限度額はあるものの、通常は負担が2,000円で済むようになっており、自治体が「寄附のお礼の品」を用意することによって、お得な制度となっています。
 自治体はこぞって返礼率の高いお礼の品を用意し、総務省は過剰な競争を避けるべく、お礼の品についての指針を出すなどしたものの、一向に競争は治まらず、ついに今年の税制改正大綱で、法的に制限をかけることになりました。
 税制改正大綱によると、制限の内容は、①寄附金の募集を適正に実施する都道府県等②返礼品の返礼割合を3割以下とする③返礼品を地場産品にする、等です。総務大臣は、これらの基準に適合する自治体をふるさと納税の対象として指定するようになります。
 なお、この内容は2019年6月1日以後に支出される寄附に適用されます。

◆泉佐野市の乱?
 以前から出していた「お礼の品の返礼割合を3割以下にしてください」等の総務省の通知を無視していた自治体の中でも、泉佐野市は強固な姿勢でメディアを騒がせています。改正前の2月・3月に、お礼の品に加えて寄附額の最大20%のアマゾンギフト券を寄附者に贈るキャンペーンを展開しつつ、法制化についてのプロセスを「地方分権の理念に反しているのではないか」とメディア等を通じて批判しています。

◆総務省も強固な姿勢
 これに対して総務省も「過去の取組もさかのぼって自治体を評価し、6月以降のふるさと納税の指定を判断する」という奥の手を検討しているそうです。
 総務省としては、通知に従って3割以下の返礼割合とした自治体が割を食うような事態は避けたい、という気持ちもあるのでしょう。

 いずれにせよ、ふるさと納税制度の本来の目的であった「離れた故郷に自分の税金が払えるように」といった感情的な部分を思うと、こういった現状は少し寂しく感じてしまいますね。

《コラム》社団法人って何?

◆社団法人とは
 社団法人と言うと、○○協会とか、○○協議会等公益性の強いイメージがありますが、それはかつて社団法人は、民法34条や特別法に基づき設立される公益目的の団体の名称だったからです。
 しかし2006年の公益法人制度改革により、一般社団法人と公益社団法人と2つになり、公益社団法人は、許認可制で今まで通り公益性が必要ですが、一般社団法人は誰でも簡単に設立できるようになりました。

◆一般社団法人とは
 人が集まった団体と言った程度の意味です。人が集まって団体を設立することは、全く自由です。しかしその団体が団体として活動したり資産(土地や建物)を所有するためには、一個の団体として法律的な認知をしてもらう必要から、法人格を付与されたものが一般社団法人です。

◆普通一般社団法人と非営利型一般社団法人
 税務上、一般社団法人は株式会社等と同様利益に対して通常の法人税が課せられます。しかし元来社団法人は営利を目的としてもしなくてもよい団体ですから、一般社団法人で営利を目的としていないことが明確(非営利型一般社団法人)であれば、税務上の優遇措置を受けられます。その要件は概ね以下です。
(1)解散したときは、残余財産を国や一定の公益的な団体に寄贈すること
(2)特定の個人又は団体に特別の利益を与えていないこと
(3)各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の1以下であること

◆優遇措置
 非営利事業に対しては課税されません。社団法人設立にあたって出資した資金や、その後社団法人に寄付した基金は相続財産から除かれます。これを利用した相続対策が多発したため「贈与した者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合には、受け取った側の一般社団法人を個人とみなして贈与税又は相続税を課税する」となっておりますのでご留意ください。

 

【時事解説】Vチューバーという新たな職業の可能性 その2

最近、動画の世界では、ユーチューバーのさらに先をいく、バーチャル・ユーチューバー「Vチューバー」が注目を集めています。Vチューバーに関するビジネスチャンスにはどのようなものがあるのでしょうか。

 Vチューバーの収入源はどのようなものでしょうか。人気が高まり動画の再生回数が増えれば、広告収入(ユーザーが広告をクリックすることで得られる収入)のほか、企業とのタイアップ、オリジナルグッズ等の販売収入と多岐に渡ります。ほか、有名になればTV出演といった、タレント活動のギャランティの収益が期待できます。

 最近、ユーチューバーの知名度が上がったため、ヒカキンなどがTVにタレントとして出演することも増えています。今後は、人気のVチューバーがタレントとして活躍する日が来るかもしれません。しかも、Vチューバーは仮想のキャラクターなので、どんなに働いても疲れないのも魅力です。

 こうした中、Vチューバーに関連するビジネスの萌芽が生まれています。一つは、Vチューバーの支援を主事業とする企業の誕生です。Vチューバーと企業とのコラボレーションのマッチング、キャラクター商品の企画や販売、プロモーションなど、Vチューバーの収益を最大化するための事業を営む企業が現れています。

 このほかには、動画制作者がVチューバーを簡単に作成できるように、作成アプリを提供するサービスや、人気Vチューバーが登場するアニメの制作を行うサービスもあります。

 Vチューバーになりたい人は今後、増えることが予想されます。Vチューバーについては、関連するサービスの提供にビジネスの商機が多くありそうです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

【時事解説】Vチューバーという新たな職業の可能性 その1

ここ何年か、小学生がなりたい人気職業にユーチューバー(YouTuber)がランクインするようになりました。自身で動画を撮影し、ユーチューブをはじめとする動画サイトにアップし、広告などの収入を得るものです。最近では、ユーチューバーのさらに先をいく、「Vチューバー(Vtuber、バーチャル・ユー・チューバー)」が注目を集めています。

 Vチューバーとは、文字通りバーチャル(仮想的)なユーチューバー。ユーチューバーは自身が登場する動画を制作しますが、Vチューバーは自分ではなく、仮想のキャラクターを登場させるところに特徴があります。自分で仮想のタレントを創造し、そのタレントがダンスや歌、イベントに参加する、といった動画を制作し投稿します。

 人気ユーチューバーであるヒカキンやはじめしゃちょーなどと同様、キズナアイなど、人気のVチューバーも現れはじめています。キズナアイは日経BP社主催の「日経クロストレンド賞(2018年)」に選出され、今後の活躍が期待されています。

 自身を被写体にするよりも、Vチューバーのほうが容姿やキャラクターを自由に創造できるので、より自由度の高い動画制作が可能になります。自身が登場するユーチューバーで人気が出なかった人でも、Vチューバーで成功する可能性は大いにあります。

 こうしたことから、Vチューバーは今後、ますます人気が上がりそうな、期待の職業といえます。ただし、ユーチューバーで成功できるのはほんの一握りの人です。Vチューバーも同じように、動画投稿だけで生活を支えられるようになるには、魅力的なキャラクターを創造する能力、たくさんの人に試聴してもらえる動画の制作能力などが必要です。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

【時事解説】中小企業におけるアウトソーシングの活用 その2

では、中小企業において、具体的にどのようなアウトソーシングの取組みがみられるのでしょうか。そこで「中小企業白書2018年版」において、従業員の業務の一部をアウトソーシングすることでコア業務に注力し高付加価値を生み出している事例として紹介された、はな物語(埼玉県杉戸町)の事例についてみていきましょう。

 はな物語(従業員15名、個人事業者)は、プリザーブドフラワーの生産・販売を行うネットショップです。「国家検定一級技能士によるデザイン」など独自サービスの提供を強みとしています。
 以前は各従業員に対し、商品製作、電話対応、顧客管理、事務処理等を幅広く担当させていたことから、最も重要な商品製作に時間が割けない状況に陥っていました。従業員へのヒアリングにより電話対応による受注業務が最も大きな業務負荷となっていることが判明したことから、電話による受注業務を外部のコールセンターにアウトソーシングしました。当初は業務の外部委託に不安を感じたものの、委託業者の電話対応の良さによって顧客満足度が向上しました。また、コールセンターの窓口は電話を受けることが可能な人数が多いため、受注できる数も増え売上の増加につながりました。
 また、ウェブページに記載する商品の撮影や、画像登録といった作業も外部に委託することで、商品製作に注力する時間の捻出に寄与しています。これらの取組みにより、従業員の主要業務が自宅でも対応可能な商品製作に絞られたことで、在宅勤務など多様な働き方の実現にもつながりました。

 このようにアウトソーシングの活用により業務を効率化することができるとともに、自社のコア業務に注力することが可能となるのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

【時事解説】中小企業におけるアウトソーシングの活用 その1

中小企業において人手不足が深刻化する中、企業価値を維持・向上させるための外部リソースの活用を指すアウトソーシングへのニーズが高まっています。一般に製造業務の委託といったいわゆる「外注」の形態は既に多くの中小企業において認知されていますが、製造業務の委託以外の高度な分野を含めた、業務プロセスの外部委託への拡大余地が見込まれています。
 
 「中小企業白書2018年版」に基づき、中小企業における既存業務のアウトソーシングの取組状況についてみると、アウトソーシングに取り組んだことがある企業の割合は50.5%となっており、全体のうち14.1%が3年前に比べて積極化しています。

 次にアウトソーシングを活用している企業に対しその理由を聞いたところ、「受注の増加に対応できる(47.1%)」、「季節的な業務量の変動に対応できる(40.8%)」の順に回答割合が高くなっています。また「社内で実施するより、効率的に成果が得られる(28.3%)」、「周辺業務を切り出すことで、従業員がコア業務に集中できる(24.1%)」などの回答も一定割合を占めています。

 一方で「中小企業白書2017年版」に基づき、アウトソーシングの活用状況別に見た導入における課題についてみると、「未活用検討中」の企業においては「導入の費用対効果が不明(50.0%)」、「適切なアウトソーシング先が見つからない(32.0%)」の順に回答割合が高くなっています。他方、既にアウトソーシングを活用したことのある企業では「特に課題はない」とする割合が最も高くなっています。

 このように、アウトソーシングの活用にあたっては業務の外部への切り離しを行うにあたっての費用対効果の算定がカギとなるのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

(後編)国税庁:2017年分相続税の申告状況を公表!

(前編からのつづき)

 また、相続財産価額から被相続人の債務や葬儀費用などを差し引き、相続開始前3年以内の生前贈与等を加算した相続税の課税価格は、15兆5,884億円で前年比5.5%増加し、税額も2兆185億円となり、同8.1%増とともに増加しました。
 被相続人1人あたりでみてみますと、課税価格が前年比0.1%減の1億3,952万円、税額は同2.4%増の807万円となりました。

 また、相続財産額の構成比は、「土地」が36.5%と最多となり、以下、「現金・預貯金等」が31.7%、「有価証券」が15.2%、退職金や生命保険などが含まれている「その他」が11.2%、「家屋」が5.4%となりました。
 前年と比べて「土地」は1.5ポイント減少しましたが、「現金・預貯金等」は0.5ポイント増加しました。
 相続税の課税強化がされても、相続財産の課税価格が基礎控除額(「3,000万円+600万円×法定相続人の数」)以内におさまる割合はなお多い模様です。
 今後の動向にも注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成31年2月15日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。