ふるさと納税の返礼品は50万円まで非課税

 年末が近づき、今年の分のふるさと納税をどこに寄付するか迷っている人も多いかもしれません。高額納税者ともなれば控除対象となる寄付上限額も高く、それだけ多くの返礼品を受け取ることができますが、返礼品であってももらいすぎると税金がかかることを忘れてはいけません。

 ふるさと納税の返礼品は「一時所得」に当たり、所得税の対象です。税金がかかる境界線はずばり50万円。受け取った返礼品の価値が50万円を超えるなら、所得税が課されます。ただし50万円以下でも必ず非課税とは言い切れません。非課税になるのは、あくまで一時所得の総額が50万円以下の場合で、返礼品以外の収入があるなら、その分が加算されることになります。

 問題は、返礼品に値札が付いているわけではないので、いつ50万円を超えたかが分からないという点です。こればかりは自治体に聞くしかないらしく、万が一にも国税に目を付けられたくないなら、50万円を超えそうだというタイミングで価格を問い合わせるしかないようです。

 そして、一時所得を計算する際には「その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額」を差し引けることとなっています。それでは返礼品を得るために要した「寄付金」は経費にならないのか――。答えは残念ながらNOです。寄付はあくまで寄付であり、返礼品の〝代金〟ではないということだそうです。

<情報提供:エヌピー通信社>

金密輸が過去最悪を更新

今年6月末までの1年間に、日本に金を密輸しようとして全国の税関に摘発され、罰金や刑事告発といった処分を受けた件数が720件(前年度比約1.5倍)、脱税額が約15億円(同約1.7倍)で、いずれも過去最悪を記録したことが財務省の発表で明らかになりました。
 金密輸の摘発は平成26年の消費税率引き上げを境に急増。25年度は8件でしたが、増税後の26年度に177件、27年度に294件、28年度に467件と急激な右肩上がりとなっています。

 29年度の720件は4年前の90倍という異常な伸び率になっています。脱税額でみても3100万円から15億円にまで増えました。処分したもののうち、約96%(691件)が航空機旅客による密輸となっています。その隠匿手口は、これまで多く見られたサポーターを使って体に巻きつける手口などのほか、特殊な形態に加工して下着に隠匿したり、モバイルバッテリー内に隠匿して密輸しようとしたりするなど、巧妙な隠匿手口が新たに見つかっています。

 密輸元は韓国、中国、台湾の順に摘発件数が多く、この上位3カ国・地域で全体の9割を占めました。
 金は世界共通の価格で売買されていますが、日本での売買には消費税がかかるため、例えば1億円の金塊を外国で購入し、日本で売ると1億800万円を受け取れます。そのため海外から金を持ち込む者には、税関であらかじめ消費税分8%を納めることを義務付けています。しかし入国時に申告せずに税関をすり抜け、日本国内の買い取りショップに持ち込んで利ザヤを抜くビジネスが横行しています。

<情報提供:エヌピー通信社>

(後編)海外勤務者の給与に対する源泉徴収の取扱いに注意!

(前編からのつづき)

 非居住者に国内源泉所得がある場合は、非居住者に代わって確定申告書を提出したり、税金の納付や還付金の受取など、納税税義務を果たすために納税管理人(個人でも法人でもよい)を選任します。
 納税管理人を定めますと、その非居住者の納税地を所轄する税務署長に「所得税の納税管理人の届出書」を提出する必要があり、この届出書を提出しますと、税務署からの書類は納税管理人宛てに送付されます。

 その他、年の途中で「非居住者」となる場合は、出国するまでに日本国内で得た給与について年末調整をして所得税を精算する必要があります。
 精算方法は、毎年12月に行う年末調整と同じ方法で、社会保険料や生命保険料は出国する日までに支払った金額が対象となり、控除対象扶養親族などになるかならないかは、出国時の現況により判定します。
 なお、配偶者や扶養親族に所得があるときは、海外勤務となる年の1年分の所得金額を出国の時の現況で見積もって、配偶者控除や扶養控除が受けられるかどうかの判断をしますので、該当されます方はご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年11月16日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)海外勤務者の給与に対する源泉徴収の取扱いに注意!

日本国内の会社に勤めている給与所得者が、海外の支店などへ転勤や海外の子会社に出向などしたりする場合、海外勤務者の給与に対する源泉徴収の取扱いは、「居住者」か「非居住者」で異なります。

 1年以上の予定で海外勤務となりますと、日本国内に住所を有しないものとされ、所得税法上の「非居住者」となり、1年未満の海外勤務の場合は「居住者」となります。
 「非居住者」が海外勤務で得た給与は、国外源泉所得となりますので、原則、日本の所得税は課税されませんが、役員については取扱いが異なります。
 役員の場合、海外勤務の報酬であっても、日本の法人の役員として受ける報酬は国内源泉所得とされますので、報酬から20.42%(所得税20%+復興特別所得税0.42%)の税率で源泉徴収が必要となります。
 ただし、その役員が使用人として海外の支店等に常時勤務する場合は、源泉徴収の必要はありません。

 また、非居住者が、給与所得のほかに日本国内で発生した一定の所得、例えば、国内にある貸家の賃貸料などの不動産所得が一定額以上ありますと、国内源泉所得となりますので、引き続き日本の所得税が課税されます。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年11月16日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(後編)配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQを公表!

(前編からのつづき)

 しかし、「給与所得者の配偶者控除等申告書」については、改正により、本人の合計所得金額によって配偶者控除又は配偶者特別控除の控除額が変わるため、本人の合計所得金額の見積額を記載することになりました。
 2017年度税制改正において、納税者本人に所得制限が設けられ、本人の合計所得金額が900万円を超えると配偶者控除と配偶者特別控除の控除額が少なくなり、1,000万円を超えると配偶者控除と配偶者特別控除の適用を受けられなくなります。

 また、配偶者特別控除は対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下に引き上げられており、2017年分以前に適用を受けられなかった人でも、2018年分より適用を受けられる可能性がありますので、ご注意ください。
 2018年分の年末調整において、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けるためには、「給与所得者の扶養控除等申告書」の「源泉控除対象配偶者」欄への記載の有無にかかわらず、「給与所得者の配偶者控除等申告書」を給与の支払者に提出する必要がありますので、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年11月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQを公表!

国税庁は、「配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに関するFAQ」を公表しました。
 それによりますと、14問を追加・更新するなど大幅に改定して、年末調整に向けた変更点などを解説しております。

 2018年の年末調整において、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける場合には、「給与所得者の配偶者控除等申告書」を給与等の支払者に提出する必要があります。
 2017年度税制改正により、配偶者控除と配偶者特別控除の控除額や申告書等の様式等が大きく変わりました。
 2017年分以前は、申告書が「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」の2種類でしたが、2018年分以後は、「保険料控除申告書兼配偶者特別控除申告書」が「給与所得者の保険料控除申告書」と「給与所得者の配偶者控除等申告書」の2種類の様式と変更され、3種類になりました。
 「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」と「給与所得者の保険料控除申告書」に記載する内容は、大きな変更はありません。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年11月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

《コラム》H29年改正をおさらい 医療費控除いろいろ

◆提出書類等が変わった医療費控除
 平成29年の確定申告から、医療費控除の適用に書面提出の場合でも「医療費控除の明細書」を提出すれば、領収書の提出が不要となりました。また「医療費通知」の添付でも申告を受け付けるようになっています。さらに医療費控除のミニ版とも言える「セルフメディケーション税制」も開始されました。各種注意点を挙げてみましょう。

◆「医療費通知」の利用に注意
 保険組合等から送られてくる「医療費通知」、もしくは「医療費のお知らせ」と書いてある紙ですが、①被保険者等の氏名②療養を受けた年月③療養を受けた者④療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称⑤被保険者等が支払った医療費の額⑥保険者等の名称の全てが記載してある場合、申告書に添付する事により確定申告で医療費控除が受けられます。なお、医療費通知だけで医療費控除の内容を全て補完できる場合は内容記載の領収書等の保存義務はありません。
 ただ、医療費通知は年末11月・12月の医療費について記載がないケースが多いようです。また、自費診療等の場合は医療費通知に記載はありません。よって医療費通知単体で控除申告する事は難しい年もあるでしょう。未記載の部分については「医療費控除の明細書」の提出が必要となります。併せて明細書に記載した内容の領収書は申告期限等から5年間は保存する必要があるので注意しましょう。

◆セルフメディケーション税制の注意点
 セルフメディケーション税制は、市販されている中で「スイッチ OTC 医薬品」に該当する医薬品を年間1万2千円以上購入している場合、最大10万円までの範囲で所得控除が受けられる制度です。つまり最大8万8千円所得控除が受けられる、医療費控除のミニ版とも言える制度です。
 ただし、この控除を受けるためにはセルフメディケーション税制の適用を受けようとする年分に健康の保持増進及び疾病の予防への取組として「一定の取組」を行っているという証明が必要になります。一定の取組とは、健康診断や予防接種を受けているかどうかです。証明する書類が必要となりますので、健診結果や予防接種の領収書等はなくさないようにしましょう。

 

《コラム》103万円パート勤務時間の調整には

◆例年12月はパートの勤務時間の調整時期
 例年、12月になると、配偶者控除目的の勤務調整により、パートさんの休みが増えて、雇用者側ではその補充等の対応が大変でした。ところが、平成30年の税制改正で、その対応に変化が必要であるということについて、当のパートさん自身が十分に把握できていない状況にあるようです。

◆平成30年税制改正の配偶者控除・特別控除
(1)配偶者の所得が高ければ考慮不要
 これまでは、配偶者控除を受ける人(以後、わかりやすいように“相方”と称します)の所得の多寡には関係なく、働いて所得を得た人(同じく、“本人”とします)の所得が38万円以下(=給与収入にして103万円以下)の場合に、相方が配偶者控除を受けることができました。そのため、この範囲内にパート勤務を抑える人が多かったことから103万円の壁と呼ばれていました。 
 平成30年の税制改正では、相方の所得が一定額※以上の場合、そもそも配偶者控除が適用されないこととなっています。これは配偶者控除対象の本人が働いておらず、収入がゼロであっても、適用されません。
※本人の合計所得が1,000万円(給与収入1,220万円)を超える場合に適用されません。所得が900万円超~1,000万円以下(給与収入1,120万円~1,220万円)では26万円か13万円の適用となります。
(2)パートの勤務調整は相方の所得次第
 相方の所得が高ければ、パート勤務の就業時間調整をしても「配偶者控除対策」という意味はないことになります。12月に勤務調整をしないで働き続けても問題はありません。一方で、相方の合計所得が900万円超~1,000万円の人は、相変わらず、就業時間調整の要望は残るでしょう。

◆相方の勤務先の家族手当の基準等にも注意
 では12月の勤務調整はどうすればよいのでしょうか? 「相方の合計所得が900万円超~1,000万円の人は、いままで以上にシミュレーションが必要」としか言えません。 
 手取り額の損得で考える場合、①配偶者控除の額、②配偶者特別控除の額(相方の所得と本人の所得により1万円から38万円の控除)、③社会保険料の壁130万円(大企業の場合106万円)も、検討要素となります。また、相方の勤務先に家族手当の所得基準がある場合は、それも大きな検討要素となります。

宝くじで10億円当選でも非課税

12月21日まで店頭販売されている「年末ジャンボ宝くじ」の当選金は、2015年以降、1等と前後合わせて10億円と高額です。しかしいくら高額でも、宝くじの当選金には所得税を課税されません。宝くじの販売ルールを定めた当せん金付証票法の13条がその根拠条文で、「当選金品には、所得税を課さない」と明記されているためです。

 ただし、複数の人と共同購入した宝くじの当選金には注意が必要で、所得税は課税されないものの、受け取り方次第では贈与税が課税されるおそれがあります。代表者1人だけで当選金を受け取りに行き、その後に共同購入者に分配すると、「代表者からほかの購入者に贈与があった」とみなされてしまう可能性があります。贈与税の課税を避けるには、共同購入者全員で銀行に行き、受取人名義を記す書面に全員の名前を書くなど、一人ひとりが個別に受け取ったという形を取る必要があります。

 ちなみに宝くじの売上のうち、当選金として当選者に支払われる金額の割合は5割に満たないそうです。1枚当たり額面300円のジャンボ宝くじであれば、期待当選金額は140~150円程度ということ。残りの150~160円は、印刷経費や手数料、広報費、そして発売元である自治体への分配に充てられています。自治体に渡る金額は売上の4割程度。これはすなわち、当選金を受け取る段階では所得税を課税されないものの、ジャンボ宝くじを購入する段階で1枚当たり120円程度を自治体に〝納税〟しているとも言えます。

<情報提供:エヌピー通信社>

教育資金贈与の縮小を検討

教育資金の一括贈与を非課税にする特例を、2018年度末で縮小する内容で政府が検討を始めました。子・孫1人当たり1500万円というまとまった財産を贈与税なしに引き継げるというメリットから、多くのリッチ層に相続税対策として活用されてきましたが、その効果をフルに発揮できるのは今年度が最後となる可能性が高まっています。

 教育資金贈与の非課税特例は、30歳未満の子や孫への一括贈与について、教育資金であれば受け取る側1人あたり1500万円まで、贈与税を非課税とするもの。受け取った側が30歳になった時点で使い残しがあれば、残額に贈与税が課されます。13年に導入され、来年3月末が期限となっています。

 この特例については、これまで文部科学省と金融庁が制度の恒久化や30歳の年齢上限引き上げなどの拡充を求めていました。若年層への資産移転を図る狙いからも拡充がされるとの見方が強かったのですが、ここにきて一転、延長はされても恒久化はされず、制度内容も縮減に動きそうな風向きになっています。一部報道によれば、政府は来年3月末となっている期限を2年程度延長する一方で、同制度に対して「世代を超えた経済格差を固定する」との批判があることを踏まえ、贈与を受ける子や孫に所得制限を設ける案や、1500万円の非課税枠の縮小、年齢制限の引き下げなどの案を議論するそうです。年末までにまとめる税制改正大綱に盛り込み、早ければ来年4月からの実施を目指す考えです。

<情報提供:エヌピー通信社>