(前編)経団連:2019年度税制改正要望を公表!

経団連は、2019年度税制改正要望を公表しました。
 それによりますと、2019年10月から消費税率10%への確実な引上げと同時に、税率引上げ後の自動車や住宅に対する消費の落込みを抑える措置も要望しました。
 具体的には、自動車税を軽自動車税(現在1万800円)並みにする案やエコカー減税の延長、自動車重量税を当分の間廃止することのほか、住宅については、住宅ローン減税の延長、住宅リフォーム減税の創設、不動産取得税の特例の延長などを求めました。

 また、需要平準化の取組みを求め、販売価格の設定という企業の最も基本的な経済活動を制約しないことを前提としつつ、中小企業等による適正転嫁や小売の既存実務に配慮した制度設計を行うべきであると主張しております。
 さらに、消費税制度の改善として、
①消費税の申告期限の延長
②消費税の仕入税額控除に係る95%ルールの復活
③福祉車両や損害保険など仕入税額控除ができない非課税取引への配慮を挙げました。

 上記①では、事業者の事務負担を軽減する観点から、消費税の申告期限について、法人税の申告期限とあわせる形で延長を検討すべきであるとしております。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

(後編)環境省:2019年度税制改正要望を公表!

(前編からのつづき)

 税制全体のグリーン化は、税制を環境負荷に応じたものとすることで、環境負荷の抑制に向けた経済的インセンティブを働かせるなど、持続可能な社会を実現する上で有効な政策と主張しております。

 車体課税のグリーン化では、環境性能のより優れた自動車の普及促進、地球温暖化・公害対策の一層の推進、汚染者負担による公害健康被害補償のための安定的財源確保の観点から要望しております。
 エコカー減税では、基本構造の恒久化を図ることや環境負荷に応じて適切にインセンティブが付与されるよう、現状のエコカー減税対象車の割合等を踏まえ、減税対象車の重点化等を検討するなど一層のグリーン化を図ることを要望しております。

 汚染者負担の原則に基づく補償給付費用等の財源の安定的な確保を図るため、引き続き、自動車重量税から引き当てることを要望しております。
 大気汚染に起因する疾病に苦しんでいる認定患者の健康被害の回復、生活の安定において、補償給付は重要な役割を担っているので、財源の安定的な確保を図るため自動車重量税から引き当てることも必要だと示しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)環境省:2019年度税制改正要望を公表!

環境省は、2019年度税制改正要望を公表しました。
 それによりますと、税制全体のグリーン化の推進や車体課税のグリーン化などを要望しております。
 環境省は、企業や国民一人ひとりを含む多様な主体の行動に環境配慮を織り込み、環境保全のための行動を一層促進するため、幅広い環境分野において税制全体のグリーン化を推進するとしております。

 具体的には、地球温暖化対策及び自動車環境対策を掲げ、地球温暖化対策として2012年10月から施行されている「地球温暖化対策のための税」を着実に実施し、省エネルギー対策、再生可能エネルギー普及、化石燃料のクリーン化・効率化などのエネルギー起源二酸化炭素排出抑制の諸施策に充当し、揮発油税等については、グリーン化の観点から「当分の間税率」を維持し、その税収を地球温暖化対策等に優先的に充当することを求めております。
 自動車環境対策では、地球温暖化対策・公害対策の一層の推進、汚染者負担の性格を踏まえた公害健康被害補償のための安定財源確保の観点から、エコカー減税対象車の重点化等を検討するなど、車体課税の一層のグリーン化の推進を要望しております。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

(後編)文部科学省:2019年度税制改正要望を公表!

(前編からのつづき)

 こうした授業料及び入学金の減免措置や給付型奨学金の拡充に伴い、文部科学省では、同省に設置した専門家会議の議論も踏まえて、詳細な制度設計の検討を行っているところです。
 この検討結果も踏まえ、授業料等の減免措置及び給付型奨学金について非課税及び差押禁止とするなど、所要の措置を講じる必要があるとして、無償化に向けて、来年の通常国会に関連法案を提出する予定だといいます。

 文部科学省の要望では、現在、(独)日本学生支援機構法に基づき支給される学資支給金(給付型奨学金)については、所得税法9条第1項第15号により「学資に充てるため給付される金品」として非課税とされているとともに差押禁止措置が適用されていることから、高等教育無償化に伴う拡充後の授業料等の減免措置及び給付型奨学金についても、同様に非課税措置が適用されないとなると、支給対象者が実質的に支援の満額を得られないこととなり、施策の目的を十分に達成することができないとして必要性を主張しております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月8日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(後編)東京商工会議所:2019年度税制改正に関する意見を公表!

(前編からのつづき)

 さらに、軽減税率制度の導入はゼロベースで見直すこと、インボイス制度は廃止を含め慎重に検討すること、混乱なく軽減税率制度を導入するため、国による徹底的な広報により事業者の準備を促すなど早急な対応を求めております。

 事業承継の円滑化では、個人事業主の事業承継に対する支援措置として、青色申告を選択し、個人資産と事業用資産を区分している個人事業者を対象に、民法上の特例措置や事業用の建物等の贈与税・相続税の軽減措置を検討することや分散した株式の集約促進のため、同族判定の範囲の縮小などを要望しております。

 また、事業承継税制の改善として、都道府県・税務署への提出書類の簡素化、書類提出の不備等に対する宥恕規定の明確化、一般事業承継税制を利用して自社株式を生前贈与した場合、相続発生時に追加で税負担が生じることから、特例事業承継税制への切替えを認めること、特例事業承継税制の適用対象拡大を踏まえた承継円滑化法に基づく民法特例措置の対象の見直しなどをあげております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

(後編)国土交通省:2019年度税制改正要望を公表!

(前編からのつづき)

 被相続人は相続開始直前において老人ホーム等に入居していることも多く、また、取引実態上、売主(相続人)が譲渡前にリフォームや除去するよりも買主が行うことが多いという実態に配慮した要望です。
 また、地域福利増進事業(一定の所有者不明土地について都道府県知事による事業の公益性等の確認を経て、公園や広場等として利用する事業)の用に係る特例措置の創設も要望しており、同事業の用に供する土地・建物に係る固定資産税等を3分の2に軽減する特例措置及び事業者に土地等を譲渡した場合の所有者の譲渡所得から1,500万円を特別控除します。

 そして、外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充も求めており、すでに消費税免税店の許可を受けている事業者が、地域のお祭りや商店街のイベント等に出店する場合に、簡素な手続きにより免税販売を認めることによって、地域の特産品等の販売機会を増やし、外国人旅行者への販売機会の増加につなげ、外国人旅行消費額のより一層の拡大と地方を含めた免税店数のさらなる増加を図ります。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年9月17日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)国土交通省:2019年度税制改正要望を公表!

国土交通省は、2019年度税制改正要望を公表しました。
 それによりますと、空き家の発生を抑制するための特例措置の拡充・延長などを要望しており、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除について、2019年12月末までの適用期間を4年間延長した上で、被相続人の直前居住要件及び建物リフォーム・除去の時点に関する要件を緩和して、特例適用対象を拡充し、空き家の発生の抑制を図ります。

 同特例は、相続日から起算して3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋(1981年5月31日以前に建築され、相続の開始直前において被相続人の居住の用に供されていたもの)を相続した相続人が、その家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、その家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除するものです。

 この特例措置を4年間(2020年1月1日~2023年12月31日)延長した上で、被相続人が老人ホーム等に入居した場合や譲渡後に家屋の除却又は耐震リフォームを行った場合を対象に加えることを要望しました。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年9月17日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(後編)日本税理士会連合会:2019年度税制改正に関する建議書を公表!

(前編からのつづき)

 その際、給与所得控除・公的年金等控除の水準が過大なことや、控除が適用されない事業所得者等とのバランスも踏まえ、所得計算上の控除を縮減した上で、基礎的な人的控除を中心に課税最低限を確保することが適切としました。
 上記③では、償却資産に係る固定資産税制度が事業者の設備投資の阻害要因になっていること、現状では課税客体の捕捉が不十分、固定資産台帳の整理が賦課期日と決算日の年2回必要になるなど事業者に過度な事務負担を強いていること等の問題があるとしております。

 市町村の財政の現状からみると、代替財源がない限り同制度を廃止することは困難なため、当面は制度を維持しつつ上記問題の解決も検討する必要があるとしております。
 賦課期日と申告期限については、賦課期日は現行法のままとしつつも、申告期限につき、現行方式と電子申告に限り法人税の申告期限と一致させる新方式との選択制を早期に実現した上で、償却資産に係る固定資産税を固定資産税とは異なる新たな税目とする、所得税の申告期限と一致させるなどの抜本的改革の検討を求めております。
 今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)日本税理士会連合会:2019年度税制改正に関する建議書を公表!

 日本税理士会連合会(以下:日税連)は、2019年度税制改正に関する建議書を公表しました。
 それによりますと、重要建議項目として、
①消費税における単一税率及び請求書等保存方式を維持すること
②所得計算上の控除から基礎的な人的控除へのシフトを進めるとともに、基礎的な人的控除のあり方を見直すこと
③償却資産に係る固定資産税制度を抜本的に見直すことをあげております。

 上記①では、軽減税率(複数税率)制度は、区分経理等により事業者の事務負担が増加することや、逆進性対策として非効率、財政が毀損し社会保障給付の抑制が必要となるなどの理由から、日税連では、単一税率制度の維持を強く主張しております。
 また、2023年10月に導入予定の適格請求書等保存方式(いわゆるインボイス方式)への移行は、行政手続コスト削減の方向性に逆行することのないような配慮・見直しを求めております。
 上記②では、基礎控除、配偶者控除等の基礎的な人的控除の課税最低限は、健康で文化的な最低限度の生活を維持するために侵害してはならない性質を有するもので、生活保護の水準に合わせていくことが望ましいとしております。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年10月1日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(後編)文部科学省:2019年度税制改正要望を公表!

(前編からのつづき)

 関係者の間では、スポーツの中でゴルフだけが消費税と施設利用税との二重課税で公平性を欠いているなどとして廃止を主張しております。
 要望の背景には、ゴルフ人口の減少にあるとみられ、1993年に約1,480万人でしたゴルフ場利用者は、2016年には約550万人と減少しており、利用単価も大きく減少し、業界では少しでも負担を減らしてゴルフ場に客を呼び戻したい事情があります。
 しかし、課税側である都道府県と交付金を受ける市町村は、廃止には反対しており、ゴルフ場の開発許可や周辺の道路整備にかかる行政サービスを賄う費用として欠かせないとしております。

 ゴルフ場利用税の税収は年間約459億円(2016年度決算額)に及んでおり、そのうち7割がゴルフ場のある市町村に交付され、財政状況がひっ迫している地方財政にとっては貴重な財源であるとして、総務省も自治体を後押ししております。
 ゴルフの人気回復を狙い、ゴルフ場利用税の廃止要望をする業界側と財源を死守したい自治体の攻防が続いており、今後の税制改正の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年9月17日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。