【時事解説】中小企業の防災・減災に向けた支援 その2

では、中小企業の防災・減災に向けてどのような支援が行われているのでしょうか。以下で、2019年7月に創設された事業継続力強化計画認定制度についてみていきましょう。

 大規模な自然災害が全国各地で相次いで発生し、中小企業の事業継続にとって大きな脅威となる中、国は2019年1月に中小企業の災害対応力の強化に向けて「中小企業強靭化パッケージ」をとりまとめました。 同パッケージにおいて、公的認定制度の創設と認定事業者への支援が掲げられたことを受け、2019年7月に「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(中小企業強靱化法)」が施行され、同法において、防災・減災に取り組む中小企業がその取り組みを「事業継続力強化計画」としてとりまとめ、国が認定する制度が創設されました。

 事業継続力強化計画の記載項目としては、事業継続力強化に取り組む目的の明確化、ハザードマップ等を活用した自社拠点の自然災害リスク認識と被害想定の策定、発災時の初動対応手順の策定、ヒト・モノ・カネ・情報を災害から守るための具体的な対策、計画の推進体制(経営層のコミットメント)、訓練実施や計画の見直し等実効性を確保する取り組みなどがあげられます。

 認定を受けた企業に対する支援策としては、低利融資や信用保証枠の拡大等の金融支援、防災・減災設備に対する税制措置、補助金(ものづくり補助金等)の優先採択などがあげられます。
 また、認定を受けた企業は、認定に関するロゴマークの使用が可能となり、会社案内や名刺などで認定のPRが可能となります。

 このように中小企業の災害に対する事前対策を促進する取り組みが行われているのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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