同様なことは新聞の宅配にもいえます。かつて情報へのアクセスが容易ではなかった時代には、宅配網を全国に持っていることが新聞の強みでした。しかし、電子データにより、記事をパソコンやスマホに送ることができるようになれば、紙に印刷し、人力で配る宅配はコストがかさみ、新聞経営の重荷になります。

 強みは永遠に強みではあり続けるわけではありません。環境の変化はかつての強みを一気に弱みにしてしまいます。それはいつの時代にもあることですが、ネットの普及はその変化を加速させているように思います。
 銀行の店舗も新聞の宅配も、かつては強みであっただけに、そこにはかなりの経営資源を割いています。こうした経営資源が環境の変化により弱みに転化した時、スリム化することは容易ではありません。

 強みが弱みに転化することは銀行や新聞業界だけではなく、どこの業界でも起こり得ることです。かつての強みが強みであるうち、新しい強みを開拓しなければなりませんが、銀行や新聞に次代を担う新しい強みが見いだせないところが問題です。
 経営者は、強みがいつまでも同様に輝き続けないということを再認識し、状況の変化に柔軟に対応できるようにしなければなりません。人間だれしも昔の成功体験を否定することは容易ではありませんが、それこそが変化の激しい時代に経営者に求められる資質だと思います。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)