いま、世の中で注目を集める自動運転技術。自動車産業だけでなく、他の産業にも大きな影響を与えることが注目の理由です。新たに生まれる市場として、自動運転タクシーやライドシェア(自動車の相乗り)などの関連サービス、さらには農業分野での無人耕作機といった分野が挙げられます。

 また、自動運転の実用化で業務形態が変わり、ひいては業界勢力図までが変化する可能性もあります。その一つが小売業です。現在、米国の通販会社では、自動運転で有力なスタートアップ企業と提携したところもあります。自動運転技術を用いれば、運転手の代わりに人工知能(AI)が目的地までの最短最適な移動経路を選択し荷物を運びます。現在、ネット通販では、配送業界の人手不足が広がり、問題となっています。こうした課題を解決するために自動運転は有望視されています。

 さらに、自動運転で「自宅前まで来てくれるお店」といったサービスも実用化が見えてきました。消費者の中には、モノを買うなら手に取って選びたいという要望は根強くあります。現在、小売業(実店舗)はネット通販に押されています。が、自動運転により、業界の勢力図が大きく変化する可能性もあります。

 具体的には、米国のスーパー大手が自動運転の食品販売車を導入する計画を発表しています。顧客はアプリで販売車を希望の場所に呼び出し、欲しい商品を買います。支払いは、自動的に課金されメールでレシートを受け取ることで完了します。また、上海では、自動運転で到着するスーパーマーケットが実験的に実施されました。日本では、2019年度に、自動運転車で移動するコンテナ型の店舗の実験が実施される予定です。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)