【時事解説】中小企業のBCP策定に向けた課題と支援策 その2

中小企業庁では、BCPの策定・運用に必要な考え方を、事例なども交えわかりやすく解説した支援ツールとして「中小企業BCP策定運用指針」を提供しています。同指針では中小企業のBCPの策定及び継続的な運用の具体的方法がわかりやすく説明されています。同指針は「入門・基本・中級・上級」という4つのコースに分かれており、策定者が自分のレベルに合わせてBCP策定に取り組むことが可能となっています。特に「入門コース」は、BCPを初めて検討する方のために、策定に最低限必要な項目に絞り、解説に従って様式に記入していくことでBCPが作成できるように工夫されています。
 また、中小企業庁からは、被災中小企業者のヒアリング結果と事業継続の検討に参考となるポイントを抽出した災害対応に関する事例集も公表されています。

 日本政策金融公庫では、「中小企業BCP策定運用指針」に則り、自ら策定したBCPに基づき防災に資する施設等を整備する際に対象となる特別貸付「社会環境対応施設整備資金」を提供しています。
 さらに、平成29年度予算では、BCP策定等の検討を行う中小企業の実態を把握しつつ、ワンストップで対応する経営支援体制の整備を図ることを目的とした「BCP関連の専門家等派遣事業」が行われています。具体的にはBCP策定に係る知識の不足により最初の一歩が踏み出せない中小企業に対してBCP関連の専門家等を派遣し専門的見地からの支援が行われています。
 このように中小企業のBCP策定に向けた意識の向上、スキル・ノウハウや人材の不足を補うために様々な取組みが行われているのです。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

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