【時事解説】地域おこし協力隊による事業引継ぎについて その1

 経済産業省と総務省は、後継者不在の中小企業・小規模事業者と事業の引継ぎを希望する者のマッチングを促進するため、国が各都道府県に設置している事業引継ぎ支援センターが運営する後継者人材バンクと、総務省の「地域おこし協力隊」との連携を行っています。

 中小企業庁では、後継者不在事業者の事業承継を支援するため、2011年度より中小企業のM&Aの相談や助言を行う事業引継ぎ支援事業を開始し、2016年度までに事業引継ぎ支援センターを全国47都道府県に設置しています。事業引継ぎ支援センターでは後継者不在の中小企業・小規模事業者と譲受を希望する事業者とのマッチングを行っています。

 地域おこし協力隊とは、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を移動し、生活の拠点を移した者を指し、地方公共団体が委嘱します。隊員は一定期間地域に居住して、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこしの支援や、農林水産業への従事、住民の生活支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を進めていきます。

 地域おこし協力隊の事業承継支援への活用に向けて、2018年6月より経済産業省と総務省との間で連携を開始し、静岡県で開催されたキックオフイベントを皮切りに、事業承継に興味がある「地域おこし協力隊」と後継者不在に悩む中小企業・小規模事業者とのマッチング支援が行われるようになりました。

 こうした連携の取組みを経て都市部から地方に来た地域おこし協力隊員が、事業引継ぎ支援センターの支援を得つつ、地域で事業展開を図る後継者不在の事業を引継ぐというケースも出てきているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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