【時事解説】中小企業における先端技術を用いたIT活用 その1

2017年5月に経済産業省産業構造審議会より公表された「新産業構造ビジョン」においては、人工知能(AI)、IoT、ビッグデータ、ロボットは第4次産業革命技術と位置付けられています。AIによって機械が自ら学習し人間を超える高度な判断が可能になり、IoTによって実社会のあらゆる事業・情報が、データ化・ネットワークを通じて自由にやりとり可能になり、ビッグデータによって集まった大量のデータを分析し新たな価値を生む形で利用可能になり、ロボットによって多様かつ複雑な作業についても自動化が可能になります。そして第4次産業革命技術に伴い産業構造や就業構造が劇的に変わる可能性が指摘されています。

 「中小企業白書2018年版」に基づき、中小企業におけるAI、IoT、ビッグデータ、 RPA(Robotic Process Automation)の認知度と活用率についてみると、認知率の高い順に、AI(95.1%)、IoT(82.4%)、ビッグデータ(81.5%)、RPA(59.3%)となっています。一方で活用率については高い順に、IoT(5.3%)、ビッグデータ(2.1%)、AI(1.2%)、RPA(1.0%)となっています。このように先端技術は中小企業の経営者にとって認知されている一方で、中小企業による実際の活用は乏しいというのが実情となっています。

 一方で、先端技術の活用有無別に経営状況(売上高、経常利益額、3年前と比べた労働生産性)を見ると、AI、ビッグデータ、IoT、RPAのうちの少なくとも1つ以上を活用している企業は、そうではない企業よりも、売上高と経常利益額は増加傾向にある割合が高く、3年前と比べた労働生産性も向上している割合が高くなっています。
 このように先端技術を用いたIT活用は、経営にプラスの効果をもたらすのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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