今月の税務トピックス② 税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹

(今月の税務トピックス①よりつづく)

Ⅱ 贈与株数要件
 次の1又は2の区分に応じて、それぞれに掲げる贈与株数要件を満たすものとされます(措法70の7の5①一・二)。この場合において、その年分の贈与税の申告書に本特例の適用を受ける旨の記載があるものが対象とされます(措通70の7の5-3(注)6)。
1 特例受贈者が1人のケース
① 贈与直前において、特例贈与者が有していた特例会社の非上場株式等の数等が発行済株式等の総数等の2/3から特例受贈者が有していた株数等を控除した残数等以上の場合…控除した残数等以上の数等に相当する非上場株式等の贈与
② 上記①以外の場合…特例贈与者が贈与直前に有していた非上場株式等の全ての贈与
2 特例受贈者が2人又は3人のケース(次の①及び②の全ての要件を満たす場合)
① 贈与後におけるいずれの特例受贈者の有する特例会社の非上場株式等の数等が発行済株式等の総数等の10%以上となる贈与
② いずれの特例受贈者の有する株数等が特例贈与者の有する特例会社の非上場株式等の数等を上回る贈与(特例贈与者と特例受贈者が同率の場合は不可)

Ⅲ 贈与の範囲
 平成30年1月1日から平成39年12月31日までの間の最初の本特例の適用に係る贈与及びその贈与に係る特例経営贈与承継期間の末日までの間に贈与税の申告書の提出期限が到来する追加贈与に限られます(措法70の7の5①)。
 そこで、最初の贈与者は、①代表権を有していた者、②50%超の株主グループに所属している者、③贈与直前に筆頭株主である者(特例受贈者を除きます。)④特例承継計画に記載された者で前述したⅡに掲げる贈与株数要件を満たす贈与とされます。

おわりに
 特例贈与者における対象となる贈与は、原則として1回限りとされます。ただし、例外として、特例受贈者が2人又は3人以上ある場合において、同一年中に、これらの特例受贈者に対して行った贈与は前述したⅠに掲げる「既に本特例の適用に係る贈与をしているもの」に含まれないこととされます(措通70の7の5-2(注))。
 また、特例贈与をした者は、特例被相続人になることができませんので留意して下さい(円滑化規6①十二ト(7))。

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