平成30年7月の税務

7/10
●6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

7/17
●所得税の予定納税額の減額申請

7/31
●所得税の予定納税額の納付(第1期分)
●5月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●11月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(3月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>

○固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付

国税庁HP新着情報

6月15日朝時点での新着情報は、以下の通りです。
国税庁ホームページ掲載日:平成30年6月14日

≪法令等≫
●特定調停スキーム(廃業支援型)に基づき債権放棄が行われた場合の税務上の取扱いについて(文書照会)
●「平成30年分の類似業種比準価額計算上の業種目及び業種目別株価等について(法令解釈通達)」

≪お知らせ≫
●平成29年度査察の概要(平成30年6月)(PDF/520KB)

(後編)日本生活協同組合連合会:家庭負担の消費税調査結果を公表!

(前編からのつづき)

 これにより、年収400万円未満世帯の年収に占める消費税負担の割合5.72%は、1,000万円以上世帯の消費税負担の割合2.80%の2.04倍となり、2016年の1.95倍よりもその差が開いてしまい、低所得世帯ほど消費税負担率が高いという逆進性は改善されていないとしております。

 そもそも400万円未満世帯と1,000万円以上世帯の負担率の差が広がったのは、2014年4月の消費税率8%への引上げからだとしております。
 そして、2019年10月には消費税率が現在の8%から10%に引き上げられる予定になっております。

 酒類・外食を除く飲食料品や週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)に対する税率を8%に据え置く軽減税率の導入も予定されておりますが、所得階層による負担率の格差がさらに広がり、低所得世帯の消費税負担がより一層増し、逆進性が悪化することが懸念されるとしております。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)日本生活協同組合連合会:家庭負担の消費税調査結果を公表!

日本生活協同組合連合会は、「家庭負担の消費税の調査結果」(有効回答数341世帯)を公表しました。
 それによりますと、2017年の1世帯あたりの年間消費税負担額は平均24万145円となり、2016年より4,111円減少しましたが、収入に占める割合は3.79%とほぼ横ばいで、消費支出に占める割合は5.81%とほぼ変わらないとしております。

 同調査は、生協組合員一人ひとりが1年間の家計簿を見直し、消費支出から非課税部分(家賃や学校教育費など)を差し引いて税額を算出したものです。
 収入に占める消費税負担額の割合を所得階層別にみてみますと、年収400万円未満世帯では前年より0.51ポイント増加の5.72%で、年間消費税負担額は、調査世帯全体で4,111円減少しているにもかかわらず、この階層では1万3,153円増加(2017年消費税負担額17万3,149円)しました。
 その他の階層では、600~700万円台世帯が0.38ポイント減少(同24万6,775円)し、それ以外は、ほぼ横ばいでした。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

国税庁HP新着情報

6月14日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成30年6月13日

≪税の情報・手続・用紙≫
●改正税理士法の「学位による試験科目免除」制度のQ&Aを更新しました

≪刊行物等≫
●国税広報参考資料(平成30年9月広報用)を掲載しました

≪法令等≫
●「消費税の軽減税率制度に関する申告書等の様式の制定について」の一部改正について(法令解釈通達)
●住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業により生じる所得の課税関係等について(情報)(PDF/345KB

(後編)交際費等の損金不算入・少額減価資産特例は延長!

(前編からのつづき)

 少額減価償却資産の特例は、中小企業者等が取得価額30万円未満の減価償却資産を取得し事業の用に供した場合、一定の要件の下でその減価償却資産の年間取得額の合計額300万円(事業年度が1年に満たない場合には300万円を12で除し、これにその事業年度の月数を掛けた金額で、月数は暦に従って計算し、1月に満たない端数を生じたときは、これを1月とします)を限度に全額を損金算入できる制度です。

 この特例は、取得価額が30万円未満である減価償却資産について適用がありますので、器具及び備品、機械・装置等の有形減価償却資産のほか、ソフトウェア、特許権、商標権等の無形減価償却資産も対象となります。
 また、所有権移転外リース取引に係る賃借人が取得したとされる資産や、中古資産であっても対象となります。
 なお、2016年度税制改正において、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人(いわゆる大法人)が除外されておりますので、該当されます方は、あわせてご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)交際費等の損金不算入・少額減価資産特例は延長!

2018年度税制改正において、適用期限に伴いそのまま廃止される措置と今回も期限を延長して引き続き実施される措置があります。
 そのうち、中小企業者等が活用しやすい措置である「交際費等の損金不算入制度」及び「少額減価償却資産の特例」(中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例)については、2020年3月31日まで延長することが盛り込まれておりますので、該当されます方はご確認ください。

 交際費等の損金不算入制度では、接待飲食費の50%まで損金算入が認められる特例及び交際費等のうち定額控除限度額(800万円)まで損金算入が認められる中小法人に係る損金算入の特例について、交際費が中小法人の事業に不可欠な経費であり、販売促進手段が限られる中小法人を引き続き支援する必要があるとして延長され、中小法人は接待飲食費の50%相当額の損金算入と定額控除限度額までの損金算入のいずれかを選択適用できます。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

《コラム》給与所得者の特定支出控除の改正

◆知らない人も多い?「特定支出控除」
 「給与所得者の特定支出控除」ってご存知ですか? 「サラリーマンの経費計上制度」と言っても良いものなのですが、要件が厳しいため、あまり普及しているとは言えない控除です。特定基準の金額以上に、通勤費・転居費・研修費・資格取得費・帰宅旅費・勤務必要経費(図書費・衣服費・交際費等の合計:上限65万円)を業務に必要と認められ、使った場合に給与所得から控除ができる制度です。このように書くと「控除できる物も多いし、すごくいいじゃない!」と思いがちですが「経費合計が給与所得控除の額の1/2を超えた部分から」のみが控除となります。
 例えば平成30年で年収600万円の方の場合、給与所得控除の額は174万円。特定支出費用が給与所得控除の半分である87万円を超えたら、超えた部分の額が所得控除となります。また、上記費用が「職務の遂行に直接必要であった」と、給与の支払者から証明書に一筆もらって確定申告する必要もあります。

◆出張族・単身赴任者向けの改正?
 平成30年度税制改正では、「業務の遂行に直接必要な旅費等で通常必要と認められるもの」の追加と、「単身赴任者の帰宅旅費」が、1か月に4往復を超えた部分が今までは対象外でしたが、その制限が撤廃されガソリン代と高速代も追加でOKという事になりました。自費で旅費や帰宅費用を捻出していた出張族や単身赴任者にはうれしい改正かもしれませんが、給与所得控除の1/2の額のハードルは依然健在ですから、まだまだ普及には遠いような気がします。

◆適用は平成32年から
 財務省の「税制改正」パンフレットには載っていない、このちょっとした改正(国税庁の「改正のあらまし」には載っています)の適用は平成32年分所得税からです。ちょうど給与所得控除も改正で一律10万円引き下げられる予定ですから、若干ではありますが、特定支出控除のハードルも下がります。この機会に、自費負担が多い職務の方は、年間どのくらいの支出があるか、計算してみてはいかがでしょうか?
 なお、「会社が負担してくれた費用」は、当然に特定支出控除とはなりません。また「職務の遂行に直接必要」なものしか認められませんのでご注意ください。

《コラム》商品を選ばせる表現や見せ方

◆印象が変わる心理作用 フレーミング効果
 私達が普段店で寿司、うな重等を選ぶ際に「松竹梅」とか「並、上、特上」と言ったランク付けをしているものがあります。商品が3つあると7~8割の人が真ん中の「上」を選択するそうです。仮に並が1000円、上が2000円、特上が3000円として相対的に「特上」はちょっと高いけど「上」の値段はほどほどで質は悪くないだろうと言う心理が働くのだそうです。店側では「上」の収益率を高く設定したりします。
 もし一番売りたいのが「特上」だとすればどうするか?値段中身は変えず「特上」を「上」に変え、「上」は「並」にします。「並」は止め、「特上」を4000円に設定します。値上げとなるのでトータルの売上の向上になるか単純に計れませんが、新設定の「上」が売れるようにはなるでしょう。
 このように内容が同じものでも見せ方や表現を変える事で印象が変わる心理作用を行動経済学では「フレーミング効果」と言います。では別の例も見てみましょう。

◆表現方法で割安感を演出する
 通販等で高額商品を売りたい時、賞品が一括払いでは高い印象を与えてしまうのではと言う時、高いと感じさせない為に分割払いを勧める事があります。例えば商品が3万6000円として「24カ月の分割で月々は1600円、週にたったコーヒー1杯の値段で手に入ります」等と言います。言われた方はお手頃だなあと感じますがトータル額は6%以上の金利も付いて3万8400円です。消費者金融の広告にも似たようなコピーがあり、利息は1日たった○円と謳い高利でも安く感じる表現がされている事があります。

◆ポジティブ表現とネガティブ表現
 次のように医師から言われた時にどのように感じるでしょうか。
1、「この手術は95%の人が助かります」
2、「この手術は20人に1人が亡くなります」
こう言われると、結果が同じでも2のネガティブ表現の確率を高く感じてしまいがちです。何かを予防する商品はネガティブに伝え、推進商品はポジティブに伝えると効果があると言われます。
 マーケティングの世界ではこうして印象操作をされ誘導されています。販売する側からすればこのようなキャッチコピーを意識すると売上増進に繋がるかもしれません。

ふるさと納税、確認しにくい控除適用

東京都渋谷区が、ふるさと納税による税優遇を適用せず、実際より多い税額を記載した住民税の税額決定通知書を納税者に送っていたことが分かりました。優遇を受けるための手続きを省略できる「ワンストップ特例」の利用者4278人を対象に、寄付金約3億6400万円について控除を適用していなかったそうです。

 渋谷区によれば、ミスがあったのは5月10日に納税者や勤務先に発送した来月分の税額決定通知書。担当者の引き継ぎ漏れがあり、電算処理の委託業者に誤ったデータを渡したことが原因だとしています。区は対象者に経緯の説明を始めるとともに、今後税額の修正を行う方針を示しました。

 ふるさと納税は任意の自治体に寄付をすると、所得税や住んでいる場所に納める住民税が差し引かれる制度。所得税から引ききれなかった分や、確定申告が不要になる「ワンストップ特例」を使った人は、全額が住民税から差し引かれます。所得税から引かれる場合は、確定申告が終わった3月以降に銀行口座に振り込まれ、住民税から引かれる場合は、寄付をした翌年5月以降の住民税から12カ月に分割して差し引かれることになります。

 所得税なら口座の取引履歴を見ることで税優遇の適用を確かめられますが、住民税で優遇が適用されたかを確認するためには、自治体から5月ごろに送られてくる税額決定通知書を見なければなりません。自治体によって細部は異なりますが、ふるさと納税による控除額は「寄附金控除」や「税額控除額」の欄に記載されていることが多いようです。

 しかし他に寄付をしていた時は合算額しか記載されず、住宅ローン控除による税額控除の適用があればそれも含めた額となります。それらがなくても、基礎控除や配偶者控除を基に適用される調整控除があるため、純然たるふるさと納税のみによる控除額を通知書で確認することはできないのが現状です。
<情報提供:エヌピー通信社>