軽減税率対応補助金で不正受給

消費税率10%への引き上げにあたっては食料品などの税率が8%で据え置かれますが、そうした複数税率に対応するレジを導入した企業に支給される補助金を不正に受け取っている事業者がいるとして、中企庁が調査に乗り出しました。

 補助金が支給されるためには、8%税率が適用される飲食料品や新聞を継続的に販売していかなければなりません。しかし中企庁によると、理美容院、エステ、クリーニング店、楽器店などで、実際には軽減税率の対象商品を販売していないにもかかわらず、飲食料品を一時的に仕入れた証拠書類を提出して補助金を申請した事例があったそうです。また、飲食店が軽減税率の適用対象外となる店内での飲食に加え、対象となるテイクアウトを行っていると虚偽の申請をしたケースもありました。
 いずれも現地調査によって不正が発覚しています。同庁は今後も現地調査を行い、不正が発覚した場合には事業者に補助金の返還を求めるとしています。

 補助金で補われる金額は導入に掛かったコストの最大3分の2で、レジ1台当たり20万円が上限となっています。ただし1台だけの導入でかつ3万円未満の機器は4分の3となります。また、新たに商品マスタの設定や機器の設置や運搬に費用がかかる時には、1台あたり20万円を上乗せします。複数の機器を導入した場合は1事業者当たり200万円が上限です。平成28年4月に募集開始となって以来、今年8月時点で7万以上の事業者が補助金を受け取っています。

<情報提供:エヌピー通信社>

養育費、賠償金の逃げ得を防止

法制審議会(法相の諮問機関)の民事執行法部会が、裁判で養育費や賠償金の支払いを命じられても応じない債務者の勤務先や預貯金口座について、裁判所が金融機関に情報提供を命じる新制度を柱とする改正要綱案をまとめました。法務省は、10月の法制審議会の総会で法相に答申し、改正法案を今秋の臨時国会への提出を目指す方針です。

 支払いに応じない人の預貯金などを差し押さえるためには、現行制度では元配偶者らが自ら金融機関を特定し、情報を開示してもらわなければなりません。しかし、金融機関に情報を求めても個人情報の壁があり、泣き寝入りせざるを得ないケースがほとんどです。

 子どものいる夫婦の離婚は年間10万件を超えていますが、厚生労働省の調べでは養育費を受け取っている母子家庭は24%にとどまっています。犯罪被害者に対する賠償金についても支払いに応じない加害者が多いのが現状です。日弁連の2015年の調べでは、賠償支払い義務が裁判で確定した164件のうち全額賠償されたのは70件にとどまっています。

 要綱案では、裁判で支払いを命じられた判決や公正証書などに基づいて債権者が申し立てれば、裁判所が金融機関に債務者の預貯金や株式情報を取得できるようにします。また市町村などの公的機関に対しても土地・建物や勤務先の情報を得られるようにするとのことです。これらの情報を基に、債務者の財産差し押さえを申し立てができるようになります。

 一方でこの新たな差し押さえ制度は、消費者金融などの借金を負った債務者が強引な取り立てを受ける事態になる恐れも懸念されています。要綱案では、財産の差し押さえから債権回収までの期間を現行の1週間から4週間に延長し、債務者が債権回収の禁止を申し立てる期間を確保できるようにしましたが、どれほどの効力を発揮するのかは未知数と言えます。

<情報提供:エヌピー通信社>

【助成金補助金診断ナビ】新着助成金ニュース

【経済産業省】
●平成30年度予算 「地域経済牽引事業支援事業費補助金(戦略分野における地域経済牽引事業支援事業)」 2次公募
 地域経済牽引事業の促進による地域の成長発展の基盤強化に関する法律(平成29年法律第47号)(以下「地域未来投資促進法」という)に基づく地域経済牽引事業計画の承認を受けた事業者が2者以上(少なくとも1者は中小企業者)で連携して、同計画の実施に必要な戦略分野での設備投資を行う場合に、初年度の設備投資に補助することにより、地域における経済活動を牽引する事業を促進し、もって地域経済の活性化を図ることを目的として補助金を支給します。

【他省庁/都道府県】
●平成30年度 観光庁 「スノーリゾート地域の活性化に向けたモデル事業」
 観光庁は「スノーリゾート地域の活性化推進会議」において策定したアクションプログラムにおける取組の一環として、「訪日外国人の誘客」、「日本人の誘客」に向けたモデル事業を実施し、事業成果の検証、全国への展開を行うこととしたモデル事業実施者を募集します。今年度のモデル事業は、ターゲットとする外国人観光客のセグメントやスノーリゾートとしてのポジショニングを意識した上で、滞在満足度の向上、付加価値化によるアジアや欧米豪からの更なる誘客に向けた事業を中心に募集します。

●平成30年度 岩手県 「医療機器等製品開発支援事業費補助金」 二次公募
 岩手県では、岩手県内の企業又は岩手県内の企業を代表企業とする企業等の連携体が、医療機器、医療関連機器又はそれらの構成部品に係る製品試作及び性能を確認するための試験を行う場合に要する経費を支援する目的で助成金を支給します。

●平成30年度 東京都 「革新的事業展開設備投資支援事業」 第4回
 東京都では、現状に満足することなく果敢に挑戦する中小企業等が、更なる発展に向けた競争力強化、成長産業分野への参入、IoT・ロボット活用を目指す際に必要となる最新機械設備の購入を支援する目的に助成金を支給します。

上記に関する詳しい情報は、ゆりかご倶楽部「助成金補助金 診断ナビ」をご確認ください。
※上記以外の新着助成金情報もご確認いただけます。

《コラム》有休取得 企業に義務付け

年次有給休暇は労働基準法で定められています。労働者の勤務期間に応じて年10日以上の有休が与えられます。(パートタイマーは週の労働日数での付与日数が決められている)来年4月より労働基準法の改正で中小企業も含めたすべての企業に年5日は必ず取るように企業に義務付けされます。

◆働き方改革の一環で決定されました
 年次有給休暇取得は原則働く側が自分で決められます(企業は繁忙期などの業務に支障の出る場合時季変更権はあります)が、会社に遠慮をする等気兼ねをして有休を取りません。厚生労働省調べでは日本の有給休暇取得率は5割を下回っており国は2020年までに7割取得の目標を掲げていますがその達成は難しい状況です。そこで企業側に年5日については本人の希望を聞いた上で取得させる日時を企業が指定し休ませる年休消化義務が課せられる事になりました。

◆日本の有休取得率
 先にも記載しましたが日本の有給休暇取得率はずっと50%前後です。世界30カ国の地域を対象とした旅行予約サイトの米エクスペディアの17年の調査ではドイツ、フランス、スペイン等の12カ国は有給休暇取得率が100%であると言う事です。祝日の日数や有給休暇を企業で計画取得させる等、制度の違いはありますが日本は連続休暇の取得日数は短いと言えるでしょう。日本ではこれまで企業側は労働者側から申し出をしない事を理由に「社員から申し出が無い」と言ってきましたが、これからは労働者に年5日は有給で休ませなければなりません。有給休暇取得日管理簿の作成も求められる見通しです。

◆有給休暇を取らない理由と今後の対策
 第一生命保険の調査で男女1400人に実施した調査では有給取得にためらいを「感じる」「やや感じる」と答えた人は6割超えでした。「職場の人に迷惑がかかる」「後で忙しくなる」男性では「昇給、査定への影響が心配」と言う人も多かったようです。
 有休取得を進めるには取得状況を各職場で上司や同僚と共有し、社員が有休を消化できるよう業務量等の調整が必要でしょう。ローテーションのある職場ではその組み方にも工夫が必要とされます。過重労働を防止し休む時はしっかり休んでリフレッシュし、生産性を上げる事が大事でしょう。

 

【時事解説】マイナス金利は設備投資を活性化させるか その2

 設備投資は実物資産に対する効果を期待して行うものであり、金融効果は二次的なものに過ぎません。また、増収や合理化は経営者のコントロールの範囲内にありますが、金融は経営者がコントロールできるものではありません。だから、増収や合理化ができるとするなら設備投資をすべきであり、資金調達関連コストは無視できないとしても、設備投資の決定因子とすべきではありません。あくまで設備投資は実物資産投資が採算に乗るかどうか、つまり営業利益を押し上げられるかどうかを基準に判断すべきものです。

 言うまでもなくマイナス金利は資金調達に関連するものですから、それをもって民間の設備投資が増大することは期待できないと思います。

 確かに資金がなければ設備投資ができませんから、資金がないことあるいは金利が高いことが設備投資の阻害要因として作用することはあります。しかし、資金があれば、あるいは金利が低ければ、それで投資が行われるというものではないのです。これを金融の「ひも理論」と言います。金融は引っ張るとき(金融引き締め)には効果を発揮するが、押したとき(金融緩和)はさほど力を発揮できないのです。別の言い方をすれば、金融面でのサポートは設備投資にとって必要条件ではありますが、十分条件ではありません。

 政府・日銀が民間の設備投資を促したいのであれば、金融面ではなく実物資産投資が効果を生むような環境を整備することが必要になります。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

【時事解説】マイナス金利は設備投資を活性化させるか その1

日銀は金融政策を若干修正しましたが、いぜんとしてマイナス金利を継続しています。日銀は「マイナス金利にすれば貸出金利が低下し、設備投資が増加することによって、実体経済が活性化する」と言っています。果たしてそうなるでしょうか。金利低下が設備投資に与える影響を損益計算書の表示を通して考えてみましょう。

 設備投資は二つの側面から見ることができます。一つは実際に機械や工場などの実物資産に投資することに伴い生じるものであり、もう一つは設備投資を行うときに付随的に発生する金融面に関するものです。この両者は損益計算書で明確に分離して表示されます。

 実物資産に対する投資は大別して増収効果と合理化効果の二つの効果が期待できます。増収効果は生産量の増大や品質の改善により売上高増大を狙ったものであり、合理化効果は生産効率や販売効率の改善により製造原価や販売費および一般管理費の減少を図るものです。増収効果も合理化効果も営業利益の増加を目指します。

 一方、設備投資をするには資金調達が必要になり、資金調達に際してコストが発生します。多くの場合、銀行から借入金を起こすことになりますが、銀行に支払う金利は支払利息として営業外費用に計上されます。自己資金で設備投資をする場合は営業外収益の受取利息や受取配当金の減少として表示されます。どちらにしても資金調達関連コストの増加は営業利益には影響を与えず、経常利益から変動することになります。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

《コラム》修繕費と資本的支出

◆修繕費と資本的支出
 国税局は「法人がその有する固定資産の修理、改良等のために支出した金額のうち当該固定資産の価値を高め、又はその耐久性を増すこととなると認められる部分に対応する金額」を資本的支出と言っています。ですからそうならなければ修繕費ということです。
 しかしその判断は非常にあいまいかつ微妙で、その判断に迷う場合は結構あります。国税当局もそのへんは認識しており、形式基準を公表しています。その内容を整理し、迷った時の判断基準にしましょう。

第1次判定……支出金額が20万円未満か又はおおむね3年以内の周期で発生するかどうかで判定、該当すれば修繕費で処理します。
第2次判定……次に明らかに資本的支出になるもの、明らかに修繕費になるものがあれば、それぞれ資本的支出、修繕費で処理します。
第3次判定……第2次判定で処理した残額が、次のイ、ロのいずれかに該当すればその残額を修繕費で処理できます。
イ.60万円未満
ロ.修理・改良等を行った資産の前期末現在の取得価額(未償却の帳簿残高でなく買った時の価額)のおおむね10%相当額以下
第4次判定……第1次から第3次判定の基準でも判定できない場合には、その部分については「7:3基準」を適用して形式的に区分することも可能です。この「7:3基準」とは、法人が継続して①その金額の30%相当額か、②その修理・改良等をした資産の前期末における取得価額の10%相当額の、いずれか少ない金額を修繕費とし、残額を資本的支出とする経理をしているときはこれを認めるとされています。

◆請求は一括でなく詳細に
 上記はいずれにせよ修繕費か資本的支出か判断できない場合です。判断できない場合とは往々にして修理もしたけどついでに補強や機能のUPを図ったような場合で、請求が一括でどこまでが修理かわからないといった場合が多いのです。そのため、修理と補強や機能UP部分が明確になるように請求書を記載してもらうことが肝心です。

《コラム》「領収書」と「領収証」

◆「領収書」か「領収証」か?
 民法では「受取証書」としています。要は金銭を支払った者が受け取った者に、受け取った旨の証拠となる書類の交付を請求でき、その請求に基づいて公布された書面を「受取証書」としています。
 これがいわゆる「領収書」又は「領収証」です。「金銭の受取」を「領収」と言うことから「受取証書」が「領収証書」となり「領収書」や「領収証」として一般に使われているものと推測されます。
 その意味ではどちらも同じで、どちらでも良いと言うことになります。

◆国税庁では領収書≧領収証
 「領収証」や「領収書」が関係する税法は印紙税法です。国税庁は以下のように言っています。
 〈金銭又は有価証券の受取書や領収書は、印紙税額一覧表の第17号文書「金銭又は有価証券の受取書」に該当し、印紙税が課税されます。受取書とはその受領事実を証明するために作成し、その支払者に交付する証拠証書をいいます。したがって、「受取書」、「領収証」、「レシート」、「預り書」はもちろんのこと、受取事実を証明するために請求書や納品書などに「代済」、「相済」とか「了」などと記入したものや、お買上票などでその作成の目的が金銭又は有価証券の受取事実を証明するものであるときは、金銭又は有価証券の受取書に該当します。〉
 総称として「領収書」と言いその中の一つとして「領収証」を上げています。

◆受領の事実は支払いの事実
 「領収書」であれ「領収証」であれ、受領事実を証明するために作成された証拠証券ですから、逆にその「領収書」や「領収証」を貰った側から言えば、払った事実を証明する証拠証券でもあります。ですから支払った経費等の証明資料として、非常に便利な資料となるわけです。
 しかし、銀行を経由して振り込んだ場合は、銀行取引の明細を見れば支払いの事実は証明できますので、領収書や領収証の発行をしない場合が多いのです。カード決済の場合も、カード決済の明細書を保管しておけば支払いの事実は証明できます。ただその支払いが経費か否かは内容によりますので、何に使ったかわかるようにしておく必要があります。

ふるさと納税の駆け込み寄付急増

ふるさと納税について総務省は9月、豪華返礼品を税優遇の対象から外すよう制度を見直すことを決定しました。決定を受けて、すでに一部の自治体では返礼品の見直しに動いていることから、寄付を受け付けるポータルサイトには豪華返礼品を求める〝駆け込み〟アクセスが急増しています。

 9月1日時点での全国の返礼品の状況を取りまとめた調査結果が出たことを受け、野田聖子総務大臣は11日の会見で「大変残念ながら、要請を行うだけでは自発的な(豪華返礼品の)見直しが期待できない」と現状を説明しました。その上で「ふるさと納税はショッピングではない」と述べ、「過度な返礼品は制度の対象外にすることもできるよう、制度の見直しを検討することにした」と語っています。今後、省内で見直し案を取りまとめ、与党税制調査会を経て年末にまとめる2019年度税制改正大綱に盛り込むことを目指します。

 総務省は今年7月に、豪華返礼品が目に余るとして大阪府泉佐野市など12自治体の名前を公表しました。しかし今回まとめた調査結果によれば、9月1日時点で返礼割合3割を超える自治体は246団体ありました。16年度の1156団体からは減り続けているものの、いまだ全体の14%の自治体が総務省の要請を無視していることになります。

 総務省は、あるべき返礼品の形として、①寄付金額の3割以下の価値、②換金性の高い商品券や宝飾品ではない、③地場産品に限る――という条件を提示していて、これらを満たさない返礼品は今後、寄付金額から2千円を引いた全額が住民税などから控除される税優遇の対象とならない可能性があると見られます。

 制度見直しが公表されて以降、寄付を受け付けるポータルサイトのアクセスは急増中です。一部報道によれば、野田氏が会見を行った日の午後には前日比2倍のアクセスが殺到し、一時サイトがつながりにくくなるなどの不具合が生じました。特に3倍を超えるアクセスが集中したのは、総務省が〝けしからん〟として公表した12自治体のページだったそうです。なお、9月1日時点で返礼割合3割を超える246自治体の名前は、総務省のホームページに掲載された調査結果で一覧できます。

<情報提供:エヌピー通信社>

 

金の密輸対策で財務省が連絡会

財務省と税関当局が、金の輸出業務をしている商社と連絡会を設置し、密輸に関する情報交換を始めました。消費税の課税システムに便乗した金の密輸が増えており、来年10月に予定される税率引き上げが不正の悪化を引き起こす恐れがある中、犯罪組織に巨額の税金が流れることを防ぐため、現場の担当者らによる意見交換を基に実効性のある対策を講じたい考えです。

 日本では金が消費税の課税対象になっており、金を正規で輸入しようとすると業者は税関で金の価格に対応する消費税を支払う必要があります。これを悪用し、香港など税金がかからない国・地域から金を密輸し、日本国内で売却すれば、販売相手からもらう消費税分が手元に残ることになります。税率が上がれば利ざやが拡大するという構図です。

 こうした背景により、金の密輸摘発件数は2014年に消費税率を8%に上げてから急増しました。17年の摘発は1347件、押収量は6236キロに上りました。増税前の13年と比べると、件数が112倍、量は47倍になったことになります。もともと国内での金の産出量は年間数十トンですが、輸出量は14年に114トン、17年は215トンに達しています。密輸された金が商社など正規ルートを経由して輸出されている実態がうかがえます。財務省幹部は「犯罪組織に流れる税金は年間600億円以上に膨らんでいる可能性が高い」とみています。

 財務省関税局によると、密輸される金は電子タバコの中に入るよう変形されていたり、メッキを施してアクセサリーになっていたり、インゴットを切断していたりと、さまざまに加工されています。金に課税する国の中でも日本は特に密輸が目立っており、財務省は消費増税でさらに標的化することを危惧しています。

<情報提供:エヌピー通信社>