【時事解説】事業承継時の経営者保証解除に向けた政策 その2

では、事業承継時の経営者保証解除に向けて具体的にどのような専門家による支援が行われているのでしょうか。そこで2020年4月よりスタートした「経営者保証コーディネーター」による支援の取り組みについてみていきましょう。

 経営者保証コーディネーターは、経営者保証ガイドラインの充足状況を確認し、保証解除に向けて金融機関との目線合わせをサポートする専門家で、各都道府県の事業承継ネットワーク事務局に常駐しています。具体的な役割としては、「事業承継時判断材料チェックシート」に基づき、経営者保証ガイドラインの要件充足状況の確認や、経営状況の見える化を行います。チェックシートによる主要確認項目としては、事業承継計画書、決算書、試算表、資金繰り表などがあげられます。

 チェックシートに基づく確認の結果、改善が必要と判断される企業に対しては、当該企業の要望に応じて既存制度を活用し、チェックシート充足に向けた改善計画を策定するなどといった経営磨き上げ支援を斡旋します。

 一方でチェックシートの項目をクリアした企業に対しては、経営者保証解除に向けて、企業が取引先金融機関と目線合わせ(交渉)を行う際に、当該企業の要望に応じて目線合わせに同席し支援する専門家の派遣を行います。専門家の派遣費用は最大支援事業で負担し利用者の負担はありません。

 このように、経営者保証コーディネーターは、法人と経営者の資産・経理の分離状況や適時適切な情報開示などといった経営者保証解除の可否の判断に資する情報の整理・見える化をサポートすることで、事業承継時の経営者保証解除に向けた支援を行っているのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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