新旧経営者への「二重徴求」は4割

金融機関から融資を受ける際に経営者の個人保証を外すための基準を示した「経営者保証に関するガイドライン」に関して、金融庁が取りまとめた活用実績によると、2017年度に経営者の保証を求めた融資の割合は全体の83.7%に上っています。また、金融庁の実態調査では、事業承継時に旧経営者との保証契約を解除せず、新経営者とも保証契約を締結する「二重徴求」についても取り上げています。2017年度の二重徴求の件数は2万241件で、調査対象の4割に及んでいます。

 実態調査では金融機関の事業承継の組織的な取り組みを、二重徴求の割合が低い金融機関と高い金融機関とで比較しています。金融庁は「新経営者に対する保証徴求割合は、全般的に概ね高い傾向を示す一方、旧経営者の経営関与が弱い先における旧経営者の保証徴求の割合が高いほど、二重徴求の割合が高い傾向が見られた。そのため、旧経営者における対応が二重徴求において影響が強いといえる」としています。

 二重徴求の割合が高い金融機関について「事業承継時における行内規定の内容が具体的ではなく、ガイドライン本文の内容をそのまま規定に落とし込むなど記載内容が不十分であることや、二重徴求に対する問題意識が行内に浸透しておらず、特段の対応も行っていない」としています。

 一方、二重徴求の割合が低い金融機関について「経営トップ主導のもと、二重徴求の原則禁止や、旧経営者への保証が第三者保証に該当する可能性があることを踏まえて、代表権の有無や株式保有割合等をもとに事業承継時の具体的な保証徴求基準を定めている」と分析しています。
<情報提供:エヌピー通信社>

家族旅行は経費になる?

例年にない暑さを記録している今年は、夏休みを避暑地で過ごそうと考えている人もいるのではないでしょうか。せっかくだからと、出張と家族旅行を兼ねて出掛けることもあるかもしれません。その旅行代金ですが、全額を経費では落とすことは難しいものの、自分の交通費や宿泊費、それに事業に使った現地飲食代などは、経費にして計上したいところです。家族同伴の出張代は全額経費にならないと思い込まず、細かく区分して経理すれば可能なので確認が必要です。

 宿泊するホテルで会議をしたり、販路開拓のために社長だけは別の場所を飛び回ったりと、「仕事のため」と言い切れる必然性があれば税務署にも経費として基本的に認められます。社長の宿泊代のうち、仕事をした分だけ経費に入れることも可能。3日のうち1日仕事をしたら、3分の1は経費にすればいいということになります。

 また家族が会社の役員として業務に従事していて、その旅行が税務上の福利厚生費要件を満たしていれば、経費として認められます。求められるのは、①旅行期間が4泊5日以内であること(海外旅行の場合は滞在日数が4泊5日以内)、②旅行の参加人数が、従業員数全体の(工場や支店ごとに行う場合は、それぞれの職場ごとの人数)の50 %以上であること――の2つの要件を満たすことです。
<情報提供:エヌピー通信社>

(後編)2018年12月末に満了するNISAに注意!

(前編からのつづき)

 実質的に非課税期間を延長させるロールオーバーに関心が寄せられている背景には、2017年度税制改正において、2018年からロールオーバーできる金額上限が撤廃されたことにあるとみられております。
 改正前は5年後に保有している金融商品の時価が非課税枠の120万円を超えた場合、超過分はロールオーバーできず、課税口座(特定口座や一般口座)に移すか、売却する必要がありましたが、上限撤廃によって非課税投資枠を超過した部分も含めてすべての資産をロールオーバーできることになりました。

 ただし、非課税投資枠を超えてロールオーバーする場合は、翌年に新しい非課税投資枠で投資することはできませんので、非課税期間が終了し、翌年の非課税投資枠にロールオーバーをした場合、ロールオーバーした額分だけ非課税投資枠を使い、新規に投資できる額が少なくなります。
 例えば、ロールオーバーした金額が120万円以上の場合は、非課税投資枠をすべて使い切ることになり、新しく投資はできませんので、該当されます方はあわせてご注意ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年7月9日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

平成30年8月の税務

8/10
●7月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付

8/31
●6月決算法人の確定申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
●3月、6月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告<消費税・地方消費税>
●12月決算法人の中間申告<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>(半期分)
●消費税の年税額が400万円超の3月、9月、12月決算法人・個人事業者の3月ごとの中間申告<消費税・地方消費税>
●消費税の年税額が4,800万円超の5月、6月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(4月決算法人は2ヶ月分)<消費税・地方消費税>
●個人事業者の当年分の消費税・地方消費税の中間申告

○個人事業税の納付(第1期分)
○個人の道府県民税及び市町村民税の納付(第2期分)

《コラム》建設業許可と決算報告の重要性

◆建設業許可と決算報告
 許認可を取得している場合、その種類によっては事業年度終了後に許認可を管轄する官公庁へ決算報告を行う義務があるものも存在します。建設業許可もそのひとつ。税務署への決算申告だけでなく、事業年度終了後4か月以内に許可を申請した行政庁に対しても決算報告を行うことになっています。

◆各工事の経歴・施工金額も一緒に報告
 建設業の決算報告では財務状況の他、年間でどのような工事を請け負ったかを報告する工事経歴書や、工事ごとの施工金額について報告する書類も併せて提出しています。一口に「建設業許可」といっても、「建築一式工事」や「内装仕上工事」など許可される工事の種類は29もあり、これらの書類は許可を持っている工事の種類ごとに作成しなくてはなりません。現在許可を持っていない種類の工事を行った場合には、「その他工事」として計上します。
 たくさんある請求書から、工事の種類ごとに抜き出して各工事の施工金額を計算するのは結構な手間がかかります。ましてや「その他工事」などと言われると、あまり重要性が感じられず、つい他の工事にまとめてしまいたくなるかもしれません。ですがこの「その他工事」、面倒でも真面目に報告していないと、後々後悔することになる恐れもあるのです。

◆実務経験が証明できない?!
 先述のとおり、工事の種類は29も存在しますので、請負状況の変化などで工事の種類を追加したいと考えることもあるでしょう。こうした追加を行う際、追加したい工事の種類について、これまでの施工実績を実務経験として証明しなければならないケースもあります。たとえば「内装仕上工事」の許可を持っているA社が、今度は「大工工事」の許可を取得するため、これまで行ってきた大工工事に関する実務経験を証明したいとします。このとき、これまでの決算報告で「その他工事」をしっかりと計上せず、全ての施工実績を「内装仕上工事」としてまとめて報告してしまっていると、内装仕上工事以外の請負工事は行っていなかったものとして、実務経験を証明できないという事態になりかねないのです。後で痛手を負わないよう、報告は慎重に行いましょう。

 

【時事解説】ネットワーク構築による事業承継支援 その2

2018年3月に中小企業庁より公表された「平成29年度事業承継ネットワークの取組と今後の支援について」において取り上げられている静岡県の事例についてみていきましょう。

 「静岡県事業承継ネットワーク」では、静岡商工会議所が事務局を務め、56の団体が参画しています。各構成員は、ネットワーク内で情報共有・連携強化を図り普及・広報を実施するとともに、事業承継診断を通じ経営者に事業承継に対する気付きの機会を提供しつつ課題を発掘し、それらの課題に対し構成員内で連携してサポートを行う役割を担います。
 事業承継診断の実施にあたっては構成員ごとに自主目標を設定し、目標達成に向け取り組んだ結果、2017年度で5,322件、達成率318%を実現することができました。

 また、事業承継診断の実施方法や診断後の対応力向上のため、診断の現場ですぐに活用できるスキルについて研修会を開催、構成機関のスキルアップを図っています。
 事業承継診断実施後の対応では、円滑に専門家と個別相談が実施できる連携体制を構築すべく、他薦による事業承継の専門家リストを作成しました。このリストでは、専門家の名前・連絡先に加え、得意分野などが明記されています。
 今後は同ネットワークを通じて診断実施案件のフォローや構成機関のスキルアップを図りつつ、地域を挙げた支援活動の拡充につなげていく方針です。

 このように事業承継ネットワークの構築を通じて、地域を挙げた組織的な事業承継支援を実施が期待されているのです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

 

(後編)弔慰金でも一定範囲を超えるものは退職手当等として課税対象!

(前編からのつづき)

 したがいまして、従業員の死亡退職に伴い会社から支払われる弔慰金は原則として、社会通念上という国民感情の観点から課税の対象とはならないことになりますが、なかには課税されないことを利用して、過度な節税として使われることもあり得るので、弔慰金として妥当と判断できる一定の金額は課税しないものの、一定範囲を超える部分は過度な弔慰金と判断して課税対象になり、退職手当金等として相続税の課税対象となりますので、ご注意ください。

 なお、上記の「業務上の死亡」とは、被相続人が亡くなった原因が業務中に起こったことであり、業務と関係性が深い原因がある場合には業務上の死亡と判断されます。
 上記の具体例として、業務遂行中に発生した事故などにより亡くなった場合、出張中に発生した事故などで亡くなった場合、仕事が原因とされる職業病などによって亡くなった場合、通勤途中の災害などによって亡くなった場合も業務上の死亡と判断されますので、あわせてご確認ください。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年7月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

 

客減っても税は減らず

観光客が著しく減少したことが固定資産税の評価減の理由として認められるかが問われた裁判で、最高裁はこのほど経営者側の上告を棄却し、減額を認めないとする栃木県那須塩原市の主張を認める決定を下しました。一審では観光客の減少は評価減に値するとの判決が出ましたが、二審では市側が逆転勝訴していました。

 訴えを起こしたのは、那須塩原市の温泉旅館経営者。「観光客の減った旅館には、固定資産税の需要減による評価額の減額特例が適用されるべきだ」と主張し、宇都宮地裁に訴えを起こしたものです。

 地方税法では、需要減を理由とした固定資産税の減額特例が定められていますが、これが建物に認められるのは、交通の不便な離島や、騒音問題のある住宅地など特殊な事情のある地域にこれまで限られてきました。地方の人口減少が進むなかで、客足の離れた観光地に固定資産税の評価減が認められるかが全国的に注目された裁判で、宇都宮地裁は訴えを一部認め、15%の評価額減を市に命じました。

 しかし市が控訴したところ、高裁判決では「価値が減少するとは認められない」として、一転して減額を認めず、最高裁もその判断を支持する決定を出しました。君島寛市長は「主張が全面的に認められた」とコメントし、経営者側は「残念だ」と話しています。
<情報提供:エヌピー通信社>

今月の税務トピックス② 税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹

(今月の税務トピックス①よりつづく)

Ⅱ B型
1 制度の概要
 指定事業者に改修等を依頼するか、事業者自身で行うかで、次の2種類の申請方法に分かれています。
 ① B-1型(受発注システム・指定事業者改修型):システムベンダー等に発注して、受発注システムを改修・入替する場合の費用が補助対象。
 ② B-2型(受発注システム・自己導入型):自らパッケージ製品・サービスを購入・導入して受発注システムを改修・入替する場合の費用が補助対象。
2 実務上の留意点
 補助上限額は、発注システム側・受注システム側の改修・入替ごとに異なります。
 ① 小売事業者等の発注システムの場合の補助上限額は1,000万円、卸売事業者等の受注システムの補助上限額は150万円で、両方の改修・入替が必要な場合の補助上限額は1,000万円とされます。
 ② 補助率は、改修・入替に係る費用の2/3とされています。
 ③ 補助対象範囲外の機能を含むパッケージ製品・サービスについては、初期購入費用の1/2を補助対象経費とし、これに補助率を乗じるものとされます。

Ⅲ 申請受付期限
 A型及びB-2型は、平成31年12月16日までに申請(事後申請)することとされます。
 また、B-1型は、平成31年9月30日までに改修・入替作業を完了することを前提に平成31年6月28日までに交付申請を行うこととされ、完了報告書は平成31年12月16日までに提出することとされます。
≪中小企業庁ホームページ参照(http://kzt-hojo.jp)≫

今月の税務トピックス① 税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹

軽減税率対策補助金

はじめに
 平成30年10月1日から消費税の税率が10%に引き上げられ、軽減税率8%も同時に導入されます。軽減税率は、「酒類及び外食を除く飲食料品」及び定期購読契約が締結された週2回以上発行される「新聞」が対象とされます。
 この消費税率の複数化の開始に伴い、対応が必要となる中小企業・小規模事業者等に対して、複数税率対応レジの導入及び受発注システムの改修等に要する経費の一部を補助することにより、導入等の準備が円滑に進むよう支援する、いわゆる軽減税率対策補助金が創設されています。この補助金には①A型(複数税率対応レジの導入等支援)、②B型(受発注システムの改修等支援)の2つの申請類型があります。
 そこで、本稿では、複数税率の導入前に検討しておきたい軽減税率対策補助金について解説することとします。

Ⅰ A型
1 制度の概要
 レジの種類及び複数税率への対応方法(導入・改修)によって、次の4種類の申請方法に分かれています。
 ① A-1型(レジ・導入型):複数税率対応の機能を有するPOS機能のないレジを対象とし、その導入費用が補助対象。
 ② A-2型(レジ・改修型):複数税率非対応のレジを対応レジに改修する場合の費用が補助対象。
 ③ A-3型(モバイルPOSレジシステム):複数税率に対応した継続的レジ機器サービスをタブレット、PC、スマートフォンを用いて利用し、レシートプリンタを含む付属機能を組み合わせてレジとして新たに導入する費用が補助対象。
 ④ A-4型(POSレジシステム):POSレジシステムを複数税率に対応するように改修又は導入する場合の費用が補助対象。
2 実務上の留意点
 補助額はレジ1台当たり20万円(複数台数申請等については1事業者当たり200万円)が上限とされています。
 ① 基本的には、補助率は2/3とされていますが、1台のみの機器導入を行う場合で、かつ、導入費用が3万円未満の機器については3/4、タブレット等の汎用端末については1/2と補助率が異なることとされています。
 ② レジ本体の他、レジ機能に直結する付属機器等(バーコードリーダー・キャッシュドロア・クレジットカード決済端末・電子マネーリーダー・カスタマーディスプレイ・レシートプリンタ・ルーター・サーバー)も合わせて補助対象とされます。

(今月の税務トピックス②につづく)